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振動、圧力、温冷、風を同時に体感 ウェアラブル端末「Haptiple」、豊田中研が開発Innovative Tech

» 2020年03月11日 10時30分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 豊田中央研究所の研究チームが開発し2019年11月に発表した「Haptiple」は、身体のいろいろな部位に対して、振動覚、圧覚、温冷覚・風覚を同時に与えられるウェアラブルデバイスだ。

photo Haptipleを装着した様子

 デバイスは手首と足首、胴体に装着し、さまざまなインタラクションと連動した触覚を作り出す。

 システムは、振動覚、圧覚、温冷覚・風覚を単一に制御できるように、マクロコントローラーが各モジュールに組み込まれている。計算するコンピュータとゲートウェイ、各モジュールをWi-Fiで接続し、データを送受信する。有線コードはない。

photo Haptipleの通信構造

 振動は、あらかじめ保存している低周波の音響信号を、触覚信号として再生することで生み出す。圧覚はサーボモーターを用い、強さを制御して生成する。 温冷覚はペルチェ素子を用い、モータードライバーで制御する。風覚は、小型ドローンモーターを使用して作り出す。

 モジュールは、他のモジュールやスマートフォンとデータを送受信できるため、魔法のつえや水鉄砲、シャワーノズルなどに取り付け、相手に対し炎や氷の魔法をかける、水を射出する、体を洗うといったインタラクションもできる。

photo スマートフォンを魔法のつえに見立て、相手に炎の魔法のような触覚を生み出している様子

 動画では、ウオータースライダーの体験やVRとの連動、さらに触覚体験を共有する応用なども紹介される。

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