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プログラミングを実務に生かすには? コードを書かない業務自動化のススメ(2/3 ページ)

» 2020年03月26日 07時00分 公開
[河合大ITmedia]

コードを書いて業務を自動化

Google カレンダーの詳細な予定を、毎日Slackに自動投稿:Google Apps Script

 当社では、オンライン上で顧客との面談を行っているのですが、Google カレンダーに設定した面談予定を毎朝Slackに自動投稿しています。米Googleが提供するプログラミング言語「Google Apps Script」を使い、Google カレンダーのAPIを実行してデータを取得、Slackに自動投稿する――という仕組みです。

 さきほど紹介したSaaS Integrationですと、Google カレンダーの当日の予定をSlack上で通知することは可能ですが、例えば「面談」と書いてある日程を、担当者ごとに抽出してSlackに通知するといった細かな設定はできません。

 このように、SaaS Integrationができない場合や、iPaasもあるがより細かい設定を加えたいときに初めてコードを書くことになります。その際にお勧めなのが、Google Apps Scriptを使う方法です。Googleスプレッドシートなど、Google関連のさまざまなサービスを操作でき、応用範囲も広いからです。

Google Apps Scriptを使う上で必要な知識

 Google Apps Scriptでは、Googleの各種サービスをJavaScriptで操作するので、プログラミング初心者の方はまずJavaScriptの基礎を学ぶと良いでしょう。プログラミングを学びたい場合は、オンライン学習サービスを利用すると便利です。さまざまなサービスがありますが、個人的にはProgateのレッスンが初心者にも分かりやすいと感じました。

 次に、Web APIの基礎を学びます。APIは、何かしらのサービス提供者が、そのサービスを利用するために提供するインタフェースのことで、Web APIはそれをHTTP/HTTPSベースで実現するものです。

 Twitterで特定のキーワードが投稿されたときにSlack上で自動通知する――という仕組みも、TwitterのAPIとSlackのAPIを組み合わせたものです。私のブログでもWeb APIに対応しているサービスをまとめているので参考にしてみてください。

ツールの使い分けはどうすればいい?

 これまで紹介した方法で解決しない場合、私は最終手段としてプログラミング言語の「Python」を利用しています。最近は機械学習ブームなどもあり、Pythonを学ぼうと考える人が増えているようです。Pythonを使えば、Google Apps Scriptよりも細かな実装や大量のデータ処理を行えるでしょう。

 業務自動化について、これまでいくつかの手段を紹介してきましたが、あらためてその特徴を表にまとめてみました。

 基本的には、コードを書く必要がないSaaS IntegrationとiPaaSを検討することをお勧めします。それだと実装が難しい場合はGoogle Apps Scriptを検討し、より細かな実装を求める人はPythonを利用すると良いでしょう。

 私自身、最近まで「Google Apps Scriptを使えば大抵のことはできる」と思って手を動かしていたのですが、今は「いかにコードを書かずに効率良く目的を実現するか」を重視するようになりました。ツールの仕組みが分かれば、ほとんどコードを書く必要はなくなるので、開発も非常に楽になるのです。

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