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「コミケは滅びぬ。何度でもよみがえるさ」──有志が挑む「バーチャルコミケ」の道(3/4 ページ)

» 2020年04月03日 14時25分 公開
[長浜和也ITmedia]

試遊卓もチラ見も可能なバーチャルコミケ&ゲムマへの道

 ゲームマーケット2020大阪に出展予定だった同人サークル「ペンとサイコロ」(@pen_n_dice)は、ゲーマー向けコミュニケーションツール「Discord」を使ったバーチャルイベント「大阪ボドゲ.web」を開催した。この試みでは、31の仮想ブースを設けて登録者295人が参加した。ペンとサイコロはゲームマーケット2020春でも同イベントを実施する予定で、同サークルはTwitterで「VAGE -Virtual Analog Game EXPO-」(以下、VAGE)と題したチャンネルをDiscordに用意して登録者を募っている。

 VAGEでは、テキストチャット、音声チャットで頒布製品を紹介できるだけでなく、出展者が用意した動画コンテンツも配信できる。動画配信では、仮想ゲームボードツール「Tabletop Simulator」で頒布作品のモジュールを用意し、配信ツールと組み合わせることで参加者同士が対戦できる「仮想試遊卓」のような機能を実装できる。

ペンとサイコロがDiscordに設けたバーチャルゲームマーケット大阪の「大阪ボドゲ.web」では、31ものブースが集まり動画配信やチャット機能で新作を訴求した
ゲームマーケット2020春でも同様の「VAGE」を開設する。仮想ゲームボードツールと配信ツールを組み合わせれば仮想試遊卓に相当する機能を実装できる

 同様の動きはコミケでも立ち上がっている。同人誌を扱うショップでは、委託販売の委託料を安く(=委託販売時掛け率アップ)するキャンペーン期間の延長、特設コーナーの開設、など支援策を打ち出している。同人誌に注力している印刷会社や画材ショップなど関連企業は、従来と同様のコミックマーケット開催を想定した各種サービスを実施する。Twitterではいつもなら開催直前に現れるハッシュタグ「#エアコミケ」が登場し、参加を予定していたサークルなどが配信告知や新作告知で盛り上がっている。

「とらのあな」もコミックマーケット98中止を受けて支援策を打ち出した

 コミックマーケット事務局では、C98の冊子版カタログを当初の予定通り販売する。参加を予定していた参加者からは、支援のために記念購入する声も多く聞かれる。ちなみに、Web版のC98カタログも現在閲覧可能だ。Webカタログは、頒布品冊子の一部をチラ見できる見本誌機能を備えており、Webカタログと通販サイト、チャット機能を連携すれば、個人でも“バーチャルブース”を展開できる。

コミックマーケット98のWebカタログは現在も参照可能だ。
サークル詳細で頒布予定のリストに「見本誌」の記載があれば
一部ページをチラ見できる

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