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TikTok運営、新型コロナ支援に270億円 世界各国の医療や社会活動などに寄付

» 2020年04月10日 17時59分 公開
[井上輝一ITmedia]

 動画共有アプリ「TikTok」を運営する中国ByteDanceは4月9日(現地時間)、新型コロナウイルス対策の支援として、2億5000万ドル(約270億円)を世界中の医療や社会活動などの関連団体に寄付すると発表した。

 寄付は同社が設立した基金を通じ、世界各国の機関や団体と連携して行う。すでに米疾病対策予防センター(CDC)の活動を支援する米CDC財団と提携し、米国各地域の保健当局へ計1500万ドル(約16億円)を寄付した。世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策基金にも、グローバルに働く医療従事者のために1000万ドル(約10億円)を寄付したという。

 COVID-19で生活が苦しくなっているTikTokのユーザーには、支援団体を通して計4000万ドル(約43億円)の寄付を行う。同社は例として、米国の学校閉鎖を受けて給食プログラムを受けられず困っている家族の支援団体に300万ドル(約3億円)、音楽ライブなどがなくなり生計に打撃を受けたアーティストなどの支援団体に200万ドル(約2億円)の寄付を行ったとしている。

 教育分野では、教師や専門家がオンライン教育の教材などを普及できるように5000万ドル(約54億円)の助成金を用意する。

 未配分の寄付金については「最も効果的に配分する方法を見極めるなど、より多く貢献できる方法を積極的に模索する」(同社)としている。

 現金での寄付とは別に、信頼できる機関がTikTok内で公衆衛生情報を広告として流せるように2500万ドル(約27億円)分のクレジットを提供する他、COVID-19の収束後に再建を目指す企業に対しても計1億ドル(約108億円)分のクレジットを用意する。

 同社は寄付を行う理由について、「企業や政府、NGO、そして世界中の人々がこの危機的な状況に立ち上がる中、われわれは人類を助けるためにできる限りの最善を尽くす。この危機を乗り切ることで、以前よりも世界が団結し、われわれがその団結した世界の一部になれることを願っている」と説明した。

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