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現物見ずに買ってもいい? 富士フイルム「X-T4」の完成度荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/4 ページ)

» 2020年04月29日 06時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

ボディ内手ブレ補正は予想以上に強力だった

 イメージセンサーは2610万画素の「X-Trans CMOS 4」センサーでAPS-Cサイズ。ややこしいけど、センサー上のカラーフィルターの配列が独自のものと思ってもらえればいい。

正面から。中央のセンサーが動いて手ブレを補正する

 そこにボディ内5軸手ブレ補正が搭載された。富士フイルム初のボディ内手ブレ補正搭載機「X-H1」よりコンパクトな機構ながら補正性能は上がっている。

 レンズキットにもなっている「XF 16-80mm F4」であれこれ撮ってみると、だいたい1秒くらいなら手持ちでOKという感じだ。

夜の団地をF8に絞ってスローシャッターで。シャッタースピードを変えながら撮ってみたが、1秒なら止まったが2秒以上だと微妙にブレた(16-80mm 16mm 1.2秒 F8 -2/3 ISO800)

 従来、Xシリーズの手ブレ補正はレンズ側の機構に頼っていたが、手ブレ補正を持たないレンズもラインアップには多い。そういうレンズを使う人にはすごく朗報だ。

 「XF 90mm F2」という名レンズがあるが、これ、中望遠なのに手ブレ補正を持たないのである。でもX-T4なら1/25秒でもブレずに撮れる。素晴らしい。

「XF 90mm F2」を装着して寝ているうちの猫を。1/25秒で撮影。手ブレ補正がすごくありがたい一瞬。毛並みもきちっと解像している(90mm 1/25秒 F2 ISO400)

 レンズキットの16-80mmは35mm判換算で24-120mm相当、開放F値はF4固定の超便利レンズで、強力な手ブレ補正も搭載している。

 画質より利便性を重視した感のある標準ズームレンズでスペックのわりにコンパクトだ。

レンズキットとなっている「XF 16-80mm F4 R OIS WR」。2019年秋に登場した、ミドルクラスの標準ズームレンズ。35mm判換算で24-120mm相当となる

 これでいつものガスタンクから適当に。なお今回は人物作例はありません。緊急事態宣言中につきご了承ください。

 青や緑がきれいに出る富士フイルムらしい発色がいい。ディテールの不自然さもなくしっかり解像している。四隅がちょっと流れているのは残念。

恒例のガスタンクを16-80mmの広角端で。四隅が流れているのは気になるが中央部の解像感はいい。発色はほどよく階調も滑らか(16-80mm 16mm 1/550秒 F8 ISO160)

 このレンズ、撮影最短距離はズーム全域で35cmと短く、望遠端では最大撮影倍率0.25倍とけっこう寄れるのもよい。

望遠端で黄色いチューリップを逆光で。実用上問題ないレベルで寄れる(16-80mm 80mm 1/480秒 F5.6 +1 ISO160)

 標準ズームとしておすすめできるよいレンズだ。クオリティー重視の人はこれに好きな焦点距離の単焦点レンズを別途持ち歩くのがよさそうだ。

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