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» 2020年05月14日 13時13分 公開

大きく進化した「Logic Pro X」 GarageBandのLive Loopsと何が違うのか?(4/4 ページ)

[松尾公也,ITmedia]
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メロディーもステップシーケンサーで

 iOS版GarageBandで最初に搭載され、それが今回のLogic Pro X新機能となったものは他にもある。「ステップシーケンサー」だ。これは、iOS版GarageBandの「ビートシーケンサー」の機能を取り込んだものだ。

 「なぜいまさら」感はあるが、ドラムマシンを入力するうえでステップシーケンサーほど直感的なものはない。むしろ、これまでピアノロールでやっていたのが異常なわけで。ただ、Logic Pro Xに実装されるに当たって追加された興味深い機能がある。それは「Melodic」というシーケンスパターンだ。

photo Melodic

 ステップシーケンサーはドラム音源だけが使える機能ではなく、ソフトウェア音源であれば何でも利用できる。つまり、メロディーのある音源にも適用できるのだ。GarageBandのタッチインストゥルメンツでは、メロディーを特定のスケールに限定するスケール演奏機能があるが、Melodicはそれに、音符のリズムパターンを追加したものと考えていいだろう。メロディーラインやベースラインに行き詰まったら、数十種類あるMelodicのパターンで試してみて、そこから好きなように改変するとよさげだ。

 サンプラーも大きく改訂された。Logicは今回から歴史ある「EXS24」という名前を捨て、シンプルに「Sampler」と変えた。これもGarageBandと同じ流れだ。それとともに、前世紀的な古いユーザーインタフェースを現代的なものに置き換えた。機能ももちろんアップ。Quick Samplerという機能を使えばサウンドクリップをドラッグ&ドロップするだけで最適化を行い、別の音源との合成も容易だ。付属しているビリー・アイリッシュのヒット曲「Ocean Eyes」に収録されている彼女の歌声を元にコーラス用ボーカル音源を作るといったことも簡単に行える。

photo Logic Pro Xアップデートに付属するビリー・アイリッシュ「Ocean Eyes」のプロジェクト

 Logic Pro XとGarageBandは要素技術としては同じ部分を共有しているが、その組み立て方が大きく違う。いったんその仕組みを理解したら、グッと便利になるのだなということを今回のアップデートで理解できた気がする。開発陣がiOS版GarageBandの良い部分に精通しているのもしっかりと感じ取れた。「ガレバンで十分だよ」というあなたも試すだけの価値は十分あると筆者は考える。それは7年前のぼくだ。今なら90日間フル機能が使えるトライアルも可能だ。

 その上で強く期待するのは、iOS版のLogic Proだ。iOSのGarageBandは楽曲制作のほとんどのフローがそれだけで完結するのだが、曲中のテンポチェンジやピッチやタイミングを微調整するFlex Pitchなど、あってほしい機能がある。現在のiPad、iPhoneのマシンパワーを活用し、GarageBandをさらに強化してLogic Pro Xとの互換性をさらに高めるか、LogicをiOSに移植して、iPad Proが真の「Pro」といえるクリエイティブプラットフォームにしてほしいと思うのだ。

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