物流向けITシステムや置き配バッグ「OKIPPA」を手掛けるベンチャーのYper(イーパー、東京都渋谷区)は5月20日、OKIPPAの実証実験で宅配の再配達を約7割削減できたと発表した。
OKIPPAは簡易的な宅配ボックスとして使える折り畳み式のバッグ。実証実験はOKIPPAを無償配布した大阪府八尾市の724世帯で1〜2月にかけて4週間行った。
各週で不在時に配達できた数と、荷物の大きさや種類などの関係からやむなく再配達になった数を比べたところ、不在時に配達できた数に比べて再配達数は約3割に抑えられた。再配達になった割合は全配達数に対して平均12.57%という結果になり、全国平均の16%を下回る結果になった。
実験期間中の配達数は3684件だったが、盗難やいたずらの件数は0件だったという。イーパーの担当者は「実験に当たり八尾市から市民全体に告知していただいたこともあり、もしかしたらそうした事例も起こりうるかと考えていたが、0件だったことはうれしい」と話す。なお、万一の盗難に備えた「置き配保険」も同社は提供している。
OKIPPAを利用した配送員に対するアンケートでは、「作業時間の変化」「配達に伴う心身の疲れやストレスや変化」という質問に対し、「あまり変わらない」と答えた割合がどちらも一番多く約50%あるものの、「かなり減少した」「減少した」と答えた割合の合計は「作業時間の変化」で40.8%、「心身の疲れやストレスの変化」で44.4%だった。
この結果から、同社は「多くの配送員にとってOKIPPAの利用は負担にならない」と結論づけている。
一方で、OKIPPAを利用した世帯の声の中には「OKIPPAを指定しても使われなかったケースがあった」というものもあり、同社は配送員への認知度向上を今後の課題として挙げた。
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