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VOCALOIDじゃない「初音ミク NT」、3カ月遅れでプロトタイプ版リリース

» 2020年06月04日 18時10分 公開
[谷井将人ITmedia]

 クリプトン・フューチャー・メディア(CFM)は6月4日、自社製歌声合成ソフト「Piapro Studio」専用の音源「初音ミク NT」(ニュータイプ)の試作バージョンを予約購入者向けにリリースした。新型コロナウイルス感染症の影響で、当初の予定より3カ月遅れの公開となった。

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 従来のPiapro Studioは歌声を合成するシステムとしてヤマハのVOCALOIDエンジンを組み込んでいたが、初音ミク NTに付属する新バージョンでは、CFMが産業技術総合研究所と独自開発した歌声合成エンジンを搭載。ソフトウェア全体を内製化した。

 初音ミク NTはヤマハの歌声合成ソフト「VOCALOID」では動作しない。VOCALOID上で動く「初音ミク V4X」など過去の製品は引き続き販売する。

 Piapro Studioには、新たに「合成した音声の波形を表示する機能」「音符ごとの音量や声のハリをコントロールする機能」「デスボイスを作る機能」「自動で音声を聞きやすくする機能」などを搭載する。

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 2019年12月の初音ミク NT発表当初は、試作バージョンの公開時期を2020年3月中旬としていたが、新型コロナの影響で3カ月ほどずれ込んだ。8月に迫る正式版の公開について、CFMの佐々木渉さんはITmedia NEWSの取材に対し「遅れないように対処中」と話した。

 正式版の公開に向けては、「ユーザーから使っていて楽しいと思ってもらえるような製品になるよう猛スピードで開発調整をしている」(佐々木さん)という。

 今後は声色の種類の追加、高音質化、動作の高速化などアップデートを重ねる。面倒な作業を半自動化してクリエイティブに集中できるような補助機能なども追加したいとしている。

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