otsuneの「燃える前に水をかぶれ」
“繋がりすぎる”ネット時代の誹謗中傷問題、解決策はあるのか(1/5 ページ)
ネットウォッチャーにして炎上対策会社を運営する著者が、SNSにおける誹謗中傷問題をていねいに解き明かします。
2020年5月23日、ある恋愛リアリティーショー番組出演者の死亡事件があり、それをきっかけにインターネットにおける悪質投稿についての議論が盛り上がりました。その番組の出演者であった女子プロレスラーは、SNS上で視聴者たちからの批判的な投稿が殺到していたことに苦しんでいたと事件前日までのSNS投稿から強く推測されています。
番組内でキレ役のような演出をされたことで、その出演者は非常識にワガママな人物であるというキャラ付けがされており、感情移入した視聴者がSNS上で感情をぶつけやすい構図になっていました。
この流れをうけて、芸能人やインフルエンサーなど著名人が次々と自分に誹謗(ひぼう)中傷をしているネットユーザーに対して訴訟をすると表明しています。
SNS運営会社への情報開示請求の手続きでも、投稿者の電話番号を含めた情報を開示するように改正する方向になるようです。
悪口を言われる方と悪口を言う方には非対称性がある
ネットの悪質投稿について民事訴訟をする費用は、弁護士に依頼したら着手金など合わせて最低でも数十万円から100万円以上は簡単にかかります。
もし海外企業のWebサービスで投稿された書き込みに対する情報開示請求であれば、日本語の開示請求を外国語に翻訳する費用もさらにかかるため、ばかになりません。
仮に民事訴訟で損害賠償が認められたとしても、書き込みをしたユーザーが無職や低収入で支払い能力がないと実質的に回収が困難なこともあります。また、刑事的な訴えをしても相手がメンタルヘルス面で責任が問えない事例もあったりしました。
つまり現状は、ターゲットにされた被害者は正式な手続きで対処することにかなりの費用や手間がかかり、罵詈雑言を投稿する方は、アカウントを捨てて簡単に逃げることもできるという、かなり非対称な状態になっています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
otsuneの「燃える前に水をかぶれ」
炎上対策会社「MiTERU」を立ち上げたネットウォッチャー、おおつねまさふみ氏によるリスクマネジメント連載。火がついても燃え広がらないようにするためにやるべきことは?。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
日本人の大腸がん、約半数に“腸内細菌の毒素”が関与 40歳以下の発症は7割 東大・阪大が200人を全ゲノム解析
-
2
「コミューン」不正アクセスでLINEヤフー、Sansan、パナソニックでも会員情報漏えいの可能性
-
3
「お前たちのクラウドはわれわれのもの」 IDCFクラウドの管理画面に出た攻撃者のメッセージ 内容に運営元は
-
4
「男は狩り、女は採集」はどこまで本当? 約8割で女性も狩り、乳児連れの例も 過去100年の狩猟採集社会を調査
-
5
JR東日本、「えきねっと」「ビューカード」などで漏えいか メルアドなど最大609万件 IDCFへの不正アクセスで【追記あり】
-
6
OpenAI、安全性研究者3人を解雇 本人らは「安全性を優先したため」と主張、同社は「機密情報の扱いに関する規定違反」と説明
-
7
新作映画「バイオハザード」公開で原作ゲームも大盛り上がり? 劇場でマンガ家が頷いた、その理由とは
-
8
IDCFクラウド障害、親会社のソフトバンクが顧客窓口に 調査・復旧も支援
-
9
「家庭教師のトライ」が学力診断にAI活用 20問解くだけで弱点を推定 生徒と講師の負担減らす
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR