オンキヨーは8月3日、遠隔地から患者の心音などを聞ける「デジタル聴診器」の開発を始めると発表した。自宅やホテルにいる患者を、医師が病院内から診察でき、新型コロナウイルス感染症患者などのケアを効率化できると見込む。富山大学と共同で研究、開発し、2021年春の事業化を目指す。
患者自身や家族が体にデジタル聴診器を当てると、心音や肺音、胎児の音などを自動で収集。Bluetooth経由でスマホと連携し、音声データをクラウド上のデータベースに格納する。
医師はデータベース上の音を聞き、診断の参考にできる。PC画面上に心音などの波形を表示することも可能だ。波形の時系列変化をもとに、システム側が異常を検知して医師にアラートを出す仕組みも用意する。
こうした機能により、新型コロナウイルス感染症の患者、心臓にリスクのある人、妊婦などを迅速に診察できるとしている。
オンキヨーは、ホームAV事業を他社に譲渡する契約が難航したことや、コロナ禍の影響で生産委託工場を停止したことなどから、20年3月期(19年4月〜20年3月)の連結業績が98億8000万円の最終赤字に転落。33億5500万円の債務超過に陥った。
今後はホームAV事業の譲渡を中止し、同事業を中核に据えて業績改善を図る。海外ファンドへの新株発行による資金調達も予定している。デジタル聴診器は、音に関するノウハウを生かした新規事業の一環で開発するという。
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