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ドローンが自律飛行、山間部の集落に日用品を配送 長野県伊那市でスタート

» 2020年08月05日 17時57分 公開
[ITmedia]

 長野県伊那市は8月5日、ドローンを使って山間部の集落に日用品を配送するサービスを始めた。ドローンは食料品など最大5kgを積み込み、約7km離れた地点まで自律飛行。周囲の地域と高低差があるエリアに住み、日々の買い物が難しい高齢者を支援する。ドローンを管理するシステムはKDDIが提供する。サービス名は「ゆうあいマーケット」。

photo ドローンが商品を届ける様子

 同市のケーブルテレビ局、伊那ケーブルテレビジョンの契約者が利用できる。同局はテレビ画面を利用した生鮮食品のECサービスを提供しており、ドローンは、このサービスで購入された商品を運ぶ。

 ドローンが飛行するコースは、商品の配送拠点から地域の公民館までの約7km。ドローンは自律飛行と遠隔制御に対応し、事故などのリスクに配慮して河川の上を移動する。午前11時までに注文を受けた商品を当日の夕方までに届けるとしている。

photo サービスの仕組み

 伊那市は南アルプスと中央アルプスに囲まれ、標高は約600メートルと高い。山間部は過疎化が進み、周囲との高低差もあるため、高齢者が頻繁に買い物に出掛けるのは難しいという。

 こうした状況を踏まえ、KDDIのサポートを受けた地元企業が、ドローンを使って高齢者が暮らす集落まで商品を運び、移動の負担を解消する。商品代金はケーブルテレビの利用料と合算し、口座振替で支払えるため、決済もスムーズにできるという。

 ドローンで運べないサイズの商品を受託企業が軽自動車で運んだり、ボランティアスタッフが公民館から利用者の自宅に商品を届けたりといったサポートも提供する。

【編集履歴:2020年8月6日午後0時15分 事実確認に基づき、タイトルと本文を一部修正しました】

photo 商品の配送に使うドローン

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