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人間を堕落させるAF性能 キヤノン「EOS R5」は一眼レフを置き換える新世代ミラーレス一眼荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/5 ページ)

» 2020年08月07日 16時29分 公開
[荻窪圭ITmedia]

とうとうキヤノンも「動物AF」に対応

 というわけでAFの話である。

 とうとうキヤノンも「動物AF」に対応したのだ。それも実用レベルが超高い。

 顔検出や瞳検出は従来通りAFモードを「顔検出+自動追尾AF」にしたときのみオンになる。そして顔検出の検出する被写体として「人物/動物優先/優先なし」の3つから選べるのだ。

検出対象を3種類から選べる。人物か動物かが排他的じゃないのだ

 ちなみに「動物優先」にすると人と動物の両方があるとき動物を優先するというだけで、人物もちゃんと捉えてくれるので普段はこれで大丈夫かと思う。

 そうすると人間も猫も犬も鳥(!)も、瞳が見えていれば瞳を、そうじゃなければ顔を、そうじゃなければ全体を見つけてくれるのだ。

 さらに、複数の候補があるときはスティックを左右に動かせばいい。

瞳を捉えたの図。右目に青い枠が表示されているのが分かる
横顔など瞳を確実に捉えられないときは枠が大きくなって「顔」検出に切り替わる
瞳検出で撮ったポートレート。ピントは右目にぴしっと来てるし、明暗差が大きな構図だが露出も完璧(24-105mm 105mm 1/125秒 F4 ISO160)

 さらに動物。先ほどのうちの猫は猫瞳AFで捉えたものだ。

 こちらもうちの猫。15-35mm F2.8で狙ってみた。

 時には瞳ではなく、まぶたにフォーカスが来ることもあったが、このあたりはどんどん精度も上がっていくだろう。

鼻でもヒゲでもなく、ちゃんと右の瞳にピントが来てる。猫を撮るとききちんと瞳にフォーカスを合わせるのが大事なのだが、これを自動でやってくれるとめちゃ楽(15-35mm 35mm 1/20秒 F2.8 ISO1000)

 さらに、犬と猫に加えて鳥もOKというのはすごい。

 というわけで、600mm F11の新しく発売されるお手軽超望遠レンズで鳥を撮ってみた。

レンズ根本のリングを回してぐいと引き出す沈胴式の超望遠レンズ。絞りはF11固定で手ブレ補正はレンズ内蔵のみ

 このように伸ばして使う沈胴式である。

 なお注意事項として、このレンズ(同時に発売される800mmもそうだが)に限っては、ボディ内手ブレ補正が効かずレンズ側のみとなる。もともと手ブレしやすい焦点距離なだけにシャッタースピードには注意すること。

 で、地面をとことこあるいてるムクドリ(たぶん、ムクドリの幼鳥。間違ってたらすまん)を狙ってみたら、これだけ小さいのにちゃんと「瞳を認識」したではないか。

 わたしは「顔検出+自動追尾」で「サーボAF」にしただけで他は何もしてない。ただシャッターを切っただけである。でも手前の草でも背景でもなく、鳥にフォーカスが来てる。

餌を探しながら草むらを歩いてるムクドリの幼鳥を発見。そっとしゃがんでファインダーを覗くと、ちゃんと目に青い枠がついたのである。これはよい(600mm 1/640秒 F11 ISO1250)

 素晴らしい。これは人間が堕落するAFだわ。

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