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» 2020年08月25日 13時10分 公開

30分後のゲリラ豪雨予測、首都圏で実証実験

理研などの共同研究チームは、最新の気象レーダーとスーパーコンピュータを使い、30秒ごとに30分後までのゲリラ豪雨を予測する“超高速降水予報システム”の実証実験を始める。

[ITmedia]

 理化学研究所(理研)は8月25日、最新の気象レーダーとスーパーコンピュータを使い、30秒ごとに30分後までのゲリラ豪雨を予測する“超高速降水予報システム”の実証実験を首都圏で始めると発表した。予報は25日午後2時から理研のWebサイト「理研天気予報研究」とエムティーアイのスマートフォンアプリ「3D雨雲ウォッチ」(iOS、Android)で公開する。

「3D雨雲ウォッチ」の表示例。わずか5分で急発達した雨雲により時間80mm以上の“猛雨”になった様子

 ゲリラ豪雨は、わずか数分の間に積乱雲が発生し、急激に発達するため、現在の天気予報では予測が難しい。理研の三好建正チームリーダー(計算科学研究センターデータ同化研究チーム)ら7つの企業や研究機関が参画する共同研究チームは、2016年にスーパーコンピュータ「京」とフェーズドアレイ気象レーダー(PAWR)を用い、「解像度100mで30秒ごとに更新する30分後までの天気予報」という桁違いに細かく高速な「ゲリラ豪雨予測手法」を開発。しかし、当時は30秒以内に完了しなければならない計算におよそ10分かかり、リアルタイムに動作できなかったという。

2016年にスパコン「京」が再現したゲリラ豪雨

 京は19年8月にシャットダウンしたが、研究チームは筑波大学と東京大学が共同運営するスーパーコンピュータ「Oakforest-PACs」にシステム全体を移植。17年に情報通信研究機構がさいたま市に設置した最新気象レーダー「マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダー」(MP-PAWR)が30秒ごとに送り出す雨雲データを取り込み、リアルタイムに処理する予報システムを構築した。「これまでの天気予報と比べて桁違いに速い更新により、わずか数分で急激に発達するゲリラ豪雨を予測できる」。

 予報を理研のWebサイトとスマホアプリで公開するのは9月5日まで。今後は実験の結果を分析、検証して実用化を加速するとしている。

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