米Amazon.comは8月27日(現地時間)、フィットネスバンド「Amazon Halo(ヘイロー)」を発表した。本体は99.99ドル(約1万600円)で、連携するサブスクリプションサービスは月額3.99ドル。まずは米国で提供を開始する。
見た目の最大の特徴は、画面がないことだ。加速度計、温度センサー、心拍数モニター、2つのマイクからユーザーのデータを集め続け、それらを解析して連携するモバイルアプリで健康状態を表示する。
データはクラウドに転送されるが、転送中もクラウド上でもデータは暗号化されており、ユーザーはアプリ経由でデータをいつでも削除できる。また、マイクは「Tone」(後述)用の音声を集めるためのものだが、音声解析は連携するスマートフォン内で行い、クラウドに保存されることはない。ユーザー自身も録音を再生できない。
基本スペックは、バッテリー持続時間は1回の充電で7日(1週間)。フル充電には約90分かかる。防滴レベルは「水泳が可能」。バンドのサイズは大中小3種類用意されている。付属するバンドの材質はポリエステルやナイロンによるファブリックで色は黒、白、ピンクの3色。別売のバンドは15色用意されており、シリコンのバンドもある。重さは本体が18g、バンドは5.2gから。スマートフォンとの接続はBluetooth 5.0で行う。
多くのフィットネスバンドにあるアクティビティのポイント制や座りすぎ通知機能などに加え、3つの大きな特徴がある。
「Tone」は、バンドに搭載の2つのマイクからユーザーの声を収集し、機械学習ベースの音声処理技術で声のピッチ、強度、テンポ、リズムを分析して周囲の人がユーザーの声をどう認識しているかを予測するオプトインの機能。
最初に自分の声を認識させると、後はマイクがユーザーの声を認識して会話から短いサンプルを集める(ずっと録音しているわけではない)。1日単位でその日のコミュニケーションを評価し、長期的に使うにつれて精度が上がる。
大事なプレゼンなど、特別な場面を解析する機能もある。バンドのボタンを押すと、最大30分の連続音声を解析できる。アプリでリアルタイムのTone分析を表示することも可能だ。
発売段階ではサポートするのは英語のみだが、今後対応言語を増やしていく計画。
BMIを測定できるフィットネスバンドは既にあるが、Amazonは「BMIは筋肉と脂肪を区別しないので誤解を招く可能性がある」とし、体脂肪計を搭載したという。この体脂肪計「Body」は、コンピュータビジョンと機械学習を採用するAIで体脂肪を計測する。
まず、スマートフォンのHaloアプリでユーザーが自分の全身写真(正面、背面、両側面)を撮影すると、Bodyのディープニューラルネットワークが画像データから3Dモデルを生成し、このモデルに基づいて体脂肪率を推定する。
Amazonは、Bodyの精度は「医師が使う方法と同程度、家庭用体重計の2倍近く正確」としている。
なお、ボディスキャン画像は3Dモデル作成後クラウドから自動的に削除され、3Dモデルはスマートフォンにのみ保存される。
「Labs」で、Amazonだけでなく、多様なサードパーティーが提供するフィットネス関連の課題やワークアウトを利用できる。
Haloについては昨年5月、Amazonが「人の感情を読み取るウェアラブルを開発している」と報じられていた。
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