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Googleマップ、DeepMindとの提携で東京などでの到着予定時刻の精度が大幅アップ

» 2020年09月04日 12時54分 公開
[ITmedia]

 米Googleは9月3日(現地時間)、Googleマップでの最適な経路の決め方や渋滞の把握方法などの「舞台裏」について説明した。特に、ETA(到着予定時刻)は系列のAI企業DeepMindとの提携により、大幅に精度が向上したとしている。

 maps 1

 Googleマップでは、位置情報を有効にしているユーザーの位置情報データの集計で世界の交通状況が把握できるようになっている。ただ、このデータだけでは数十分後に交通量がどうなるかは分からない。こうした近い将来の交通量を予測するために、Googleは過去の交通パターンを分析し、それを実際の交通状況と組み合わせて機械学習で予測している。

 この予測は97%以上が正確だったが、最近DeepMindと提携したことで、さらに精度が上がったという。この改善では、時空間推論を実行できる「グラフニューラルネットワーク」(GNN)と呼ばれる一般化機械学習アーキテクチャを使用した。これにより、例えば東京、ベルリン、ワシントンD.C.などではリアルタイムETAの精度が最大50%向上したとしている。

 maps 2 ETAの精度が改善した都市

 この仕組みについてはDeepMindの公式ブログを参照されたい。

 maps 3 DeepMindの公式ブログより

 Googleの予測交通モデルはナビの経路の決定にとって重要だ。このモデルでトラフィックの増加を予測すると、自動的に代替経路を検出する。また、道路の幅や舗装状態などのデータ、地方自治体からの情報、ユーザーからのリアルタイムのフィードバックも経路決定の際に参照する。

 Googleは、トラフィック予測と経路決定は非常に複雑だが、可能な限り安全で効率的な経路の開発に引き続き取り組んでいくとしている。

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