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» 2020年10月22日 17時13分 公開

「現場からは反発も」──現金手渡しの“昭和”な企業が経理の自動化ツールを導入するまで ジェフ市原の業務改善への道のり (2/2)

[安田晴香,ITmedia]
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経費精算にかかる時間は半減

 ツールを導入後、目に見える効果があった。申請書類や領収書の回収が無くなり、承認や仕訳作業もツール上で行えるようになった。申請データを既存の会計ソフトに取り込むことで、紙のレシートや領収書を確認し金額を会計ソフトに手で打ち込む作業もなくなった。この結果、以前は1カ月かかっていた経費精算の月末処理は、2週間で終わるようになったという。

 精算業務をツール上で行えるようになったため、経理もテレワークができるようになった。導入前は全くできる状態ではなかったが、今は平均して週1回の在宅勤務を行っているという。

 ただし、ツールの使い方に関する質問を受けることは今でも多い。「ツールを使いこなし、会社全体が慣れるにはあと2〜3カ月かかると思います」と小林さん。ツールを定着させて経理業務の効率を上げるため、今後も根気よく説明を続けていくとしている。

 小林さんが積極的に取り組みを進める一因には、経理のメンバーに承認や仕訳などの定型業務とは別の仕事に携わってほしいという思いがある。機械ができることは機械で行い、人にしかできない創造性が発揮できる仕事を担ってほしいという。

 「本来、経理は会社の資金繰りや収益状態、費用の発生状況などを把握し、経営に直結する役割を担う部署です。定型業務を自動化することで、経理が経営に携わる他の仕事をする余力を作ることができます」(小林さん)

photo 小林さんは「経理は経営に直結する役割を担う部署」という(写真はイメージ)

法改正で「現状は劇的には変わらない」

 経理業務のペーパーレス化や効率化を巡っては、国の法整備も進む。10月1日には「改正電子帳簿保存法」が施行。これまで領収書や請求書などのデータには、提出や改ざん防止のためにその時刻にデータが確実に存在していたことを証明する「タイムスタンプ」を付与することが、発行側と受取側で必要だった。法改正後はクラウドでやりとりされるデータに限り、受取側のタイムスタンプが不要になった。加えて、キャッシュレス決済の明細情報は領収書やレシートの代わりとして使えるようになった。

 規制が緩和されることで、経理業務の効率化や負担軽減につながるのだろうか。小林さんは「少しずつ細かい部分の法改正がされてきているので、今回で劇的に変わることはないとは思います」としつつ、「明細データとして認められる範囲が広がったことで業務の負担が軽くなる面はあるかもしれません」と話す。

 今後もジェフユナイテッドでは経理業務の効率化を進めていく。経理の仕事は立て替え精算の対応だけではない。従業員の給与計算やイベント運営費、スポンサー費など取引先への請求や支払い業務もある。10月には社外への請求書の発行や集金などを自動化するクラウドツールを導入。導入済のツールと組み合わせ、業務の自動化をさらに進めていく考えだ。

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