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» 2020年10月26日 12時03分 公開

1万ppiの有機ELディスプレイ、スタンフォード大とSamsungが共同開発

スタンフォード大学とSamsungの研究組織SAITが、発光効率が高く、最大1万ppiをサポートする新有機ELディスプレイを開発した。Samsungは、超薄型ソーラーパネルの電極設計技術を応用するこのディスプレイを大型テレビに統合する計画だ。

[佐藤由紀子,ITmedia]

 米スタンフォード大学は10月22日(現地時間)、韓国Samsung ElectronicsのSamsung Advanced Institute of Technology(SAIT)と共同で、最大1万ppiをサポートする超高解像度有機ELディスプレイ「metaphotonic OLED」を開発したと発表した。

 超薄型ソーラーパネルの電極設計技術を応用することで、大型テレビ、スマートフォン、VR/ARヘッドセットなどで使える有機ELの新技術を開発したという。ちなみに、米Appleの最新ハイエンドスマートフォン「iPhone 12 Pro Max」の解像度は458ppiだ。

 この研究は、現在市販されている2種類の有機ELディスプレイに代わる、より高品質なディスプレイを提供することを目的としている。スマートフォンで採用されている「RGB OLED」は、ある程度の高解像度が実現できるが、大型化が難しい。テレビのような大画面で使われている「white OLED」は、構造的に電力を多く消費し、画面の焼き付きの傾向がある。

 新ディスプレイは、光の反射特性を操作できる「optical metasurface(光学メタサーフェス)」というナノスケールの波形を持つ反射金属のベース層を応用する。RGB OLEDの場合は各色のピクセルの高さが異なり、高さを調節するために表面に別素材を載せる必要があるが、メタサーフェス採用のmetaphotonic OLEDの場合は、ベース層の波形により、各ピクセルの高さを同じにできる。これにより、多様なサイズのディスプレイの製造プロセスが簡易化できる。

 oled metaphotonic OLEDの構造図(画像:SAIT)

 テストでは、新ディスプレイのピクセルはwhite OLEDのピクセルと比較して、色純度が高く、発光効率は2倍だった。

 Samsungはこのディスプレイを大画面テレビに統合するための研究を続けているという。

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