イーロン・マスク氏率いる宇宙企業SpaceXは10月27日(現地時間)、iOSおよびAndroid向けアプリ「Starlink」を米国でリリースした。同社が構築中の通信衛星ネットワークによるブロードバンドサービスStarlinkを利用するためのアプリだ。
SpaceXはStarlink構想を2015年に発表し、2018年から低軌道衛星を打ち上げている。既存のネットワークに接続できない地域に高速ブロードバンドネットワークを、低軌道衛星によって提供するのが目的。直近では10月6日にも打ち上げており、累計895基の衛星を打ち上げ済みだ。
Starlinkのネットワークを利用するには、Starlinkのサイトからパブリックβプログラムに参加する必要がある。また、当然ながら衛星ネットワークの圏内でないと利用できない。
アプリの概要によると、このプログラムの名称は「Better Than Nothing(ないよりはまし) Beta Program」。マスク氏らしいネーミングだ。
米CNBCが入手したパブリックβ参加者へのSpaceXからのメールによると、プログラム名の通り、アクセススピードは50Mb/s〜150Mb/sで接続できない時間帯もある。それでも月額99ドルのサブスクリプション料と、ネットワーク接続のために必要なハードウェアキットの初期費用499ドルも必要だ。
SpaceXは今月、米Microsoftと宇宙事業「Azure Space」で提携すると発表した。Microsoftのモジュール式データセンター「Azure Modular Datacenter」でStarlinkのネットワークを採用する計画だ。
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