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どのM1 Macを買う? Apple Silicon Macなら「これ一択」な理由(2/2 ページ)

» 2020年11月17日 09時00分 公開
[小寺信良ITmedia]
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差が小さいAirとPro

 残るはProかAirかの2択になるわけだが、ここでスペックを比較してみると恐るべき事実が。

 左にAir、真ん中にProを配置してみたところ、スペックの違いを探すのが難しいほどよく似ている。そもそもSoCが同じなので、性能も同じになる。Airには選択肢としてGPUが7コアのSoCも選べるが、これは単純に8コアスペックに満たない選別品を使用しているだけだろう。ボディーが違うので外寸や重量が少し違うのは置いといて、それ以外の違いを探すと、

  • バッテリー容量はProのほうが少し多い
  • スピーカーとマイクのクオリティーもProが多少いい
  • ディスプレイ輝度がAirの400nitsに対し、Proは500nits
  • ProはTouch Bar付き
  • 電源アダプターがAirの30Wに対し、Proは61W

といったところである。バッテリー容量に関しては、利用時間が20時間から18時間に減ったところで、それほど大差ない。現在使用しているMacBook Pro 2016ではバッテリー持続時間が公称10時間だが、これは利用アプリに依存する。

 これを買ってすぐのCESの取材で、10時間も保てば十分だろうとACアダプターをホテルに置いてきたのだが、20分の動画を2分ぐらいにまとめようとFinal Cut Proで編集をはじめたところ、1時間でバッテリーがカラになった。

 GPUぶん回しだからかもしれないが、純正アプリ使ってこのスペックって、えーとProって何のProなの?という話である。M1はグラフィックスが低消費電力らしいので期待したいところだが、どのみちガチ編集作業ではバッテリー駆動では無理なので、少しばかりの容量の差を気にしても仕方がない。

 注意すべきは、電源アダプターの容量の違いである。Airはコストダウンもしくは持ち運びの利便性のために小型のものを添付しているとも考えられるが、Proだけ倍ということは、Pro搭載のバッテリーは急速充電対応という可能性もある。だとしたら充電時間で倍ぐらい違いが出るはずだ。Airに61Wのアダプターをつないで急速充電できるのか、実機でのレポートを待ちたいところだ。

 スピーカーとマイクの違いも無視できる。現在オンライン会議が増えているところではあるが、どうせヘッドセットだし、映画や音楽をノートPCのスピーカーで聞いたりもしない。

 ディスプレイの輝度も多少違うが、1000nitsないということはどのみちHDRには対応できないので、違いは小さいだろう。Proの500nitsは、今手元にある2016 Proも同じ輝度だが、そもそも輝度をMAXまで上げないと見えなかったのは夏の浜辺ぐらいなので、もうそこでは仕事しないと決めれば差はなくなる。

 残るはTouch Barの有無だが、現在使用中のProでもTouch Barはほとんど使っていない。便利に使うにはアプリが機能対応しなければならないのだが、案外対応アプリは増えなかった印象だ。また対応したりしなかったりでは、使うクセが付かないので、機能提供されていても結局使わない、というか、手元を見てないので気が付かない。

 スペック表からは読み取れないスペックの違いとしては、Proはファンあり、Airはファンレスという点である。ということは、Proのほうが高負荷でM1をぶん回せる可能性は高い。動画レンダリングなどのヘビーなタスクでは、動作スピードの差が影響するかもしれない。

結局買ったのは……

 筆者はYouTuberほどではないが、他のライターさんよりも高い頻度で動画編集している。昨今はスマホも4K/60p撮影が当たり前になってきており、コーデックもH.265、下手すればあともう少しでH.266が来る。少しでもパフォーマンスが高いモデルが欲しいところだ。

 だが新Proは、現在使っているProと外見的には同じである。まあ色がシルバーとスペースグレイの2色があるので、色違いにするという手もあるが、同じボディーのマシンが2台あっても面白みがない。

 そんな理由で発注したのは、AirのGPU 8コア、メモリ16GB、ストレージ512GB、色はゴールドであった。過去Airは、メモリが少ない、ディスプレイが低解像度など廉価モデルのイメージが強かったが、徐々に「普通」のモデルに成長してきた。その意味では(12インチ)「MacBook」の立場を危うくしてきたモデルと言ってもいい。

 そして今回で初めて、Proの領域に踏み込んだAirが誕生ということになる。その点では、一番出世してきた面白いモデルである。さらに価格は税込16万4780円なので、予定よりだいぶ安く収まったことになる。

photo MacBook AirをCTOでカスタマイズ

 高負荷のタスクにはファンありのProのほうが有利だろうが、一番いいヤツで一番いい結果が出るのは当たり前だ。Airでもボディーを冷やせば同じなんじゃないかとか、いろいろ工夫と実験をしながら仕事する方が面白そうである。筆者が普段編集で使っているApple純正のFinal Cut ProはM1ネイティブで動くそうなので、パフォーマンスも期待できる。

 一方ビデオ編集してない時の快適性としても、ボディーが軽く薄型のほうに軍配が上がる。最近出張や取材に出掛ける機会は少ないが、外に仕事を持ち出す機会が増えている。実はAirも2014年に購入したことがあるが、Proの購入と同時に手放しており、その点では4年ぶりのAirということになる。

 発送予定日が今月24〜26日となっていることから、再来週ぐらいには届く。今週はInterBEEでいろいろ忙しいので、それぐらいの到着でちょうど良かったかもしれない。

 M1は前評判通りのパフォーマンスが出るのか、実際にテストしてみるのが楽しみである。

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