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» 2020年12月13日 08時00分 公開

荻窪圭のデジカメレビュープラス:良い意味で普通になった富士フイルム「X-S10」 オートで気軽に撮れる“X” (1/5)

Xシリーズならではの良さは生かしつつ、オーソドックスな操作系に変わったAPS-Cサイズセンサーのミラーレス機「X-S10」。ボディ内手ブレ補正まで搭載し、お買い得感の高い製品になった。

[荻窪圭,ITmedia]

 富士フイルムの「X-S10」に注目である。春に出たばかりのハイエンドモデル「X-T4」のスゴいところをほどよく受け継ぎつつ、小さくて軽くて安くてしかも「普通」なのである。

コンパクトながらグリップがしっかりしていて構えやすいX-S10。正面から見るとなかなか精悍(せいかん)

 今までの富士フイルムの中級〜ハイエンド機は「自分であれこれ好みの画質を作り、その時々に応じてパッと設定を変えながら自在に撮る」のが楽しいカメラだった。好きな人にはたまらないが、普段はオートで気軽に使いたいという人にはハードルが高い操作系や設定の細かさがあったのである。

 その点X-S10は新しいシリーズであり、オートで気軽にバシバシとってね、でも富士フイルムならではの「フィルムシミュレーション」はいつでも簡単に楽しめるようにしましたよ、という今までのXとは一味違うミラーレス一眼なのだ。

「普通」になったところ、なってないところ

 X-T4の何が普通じゃなくて、X-S10の何が普通なのか。

 分かりやすいところでこの写真をどうぞ。手前がX-S10で奥がX-T4だ。大きさが違うのはもちろんとして、操作系が全然違うのが分かる。

上がX-T4、下がX-S10。ダイヤル構成が全然違う

 X-T4は上面に露出補正ダイヤル、シャッタースピードダイヤル、ISO感度ダイヤルが独立してついており、グリップの凹凸も最小限でレトロなシャッターボタン(ケーブルレリーズ対応)がある。そして撮影モードダイヤルがない。

 レトロであると同時に一度分かってしまえばすごく自然に必要な設定を瞬時に切り替えられて良いのだが(わたしはそこが気に入っている)、ちとマニアックだ。X-S10は撮影モードダイヤルがちゃんとあり、露出補正ダイヤルではなく電子ダイヤルになっていて(露出補正ダイヤルとしても使える)シャッターボタンもグリップの上にあって握りやすい。

 非常にオーソドックスで分かりやすいデザイン、つまり「普通」になったのだ。

 だからとっつきやすい。これは大事な点だ。

 でも、富士フイルムらしさとして、左肩のダイヤルをつけた。これ、通常の撮影モードで回すと、フィルムシミュレーションになるのだ。

左肩のダイヤルに注目。オートやPASMの各モードではフィルムシミュレーションに割り当てられている
18種類のフィルムシミュレーションからダイヤルでサッと選べるのは楽しい。最近の好みは「クラシックネガ」

 例えばクラシックネガにして撮った写真がこちら。空の色や階調の出方が独特なのが分かるかと思う。こういう、ちょっとした細かい絵作りを楽しめるのだ。

フィルムシミュレーション「クラシックネガ」で撮影したネコと青空。ネガフィルムで撮ったような独特な風合いがいい(16-80mm 16mm 1/1600秒 F4 ISO320)

 AUTOモード時でもこのダイヤルを回せばフィルムシミュレーションを楽しめるし、露出補正もできるので、普段は「AUTO」で撮ってOkなのである。

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