またHDRグレーディング関連のLumertiプリセットは中身が全然入っておらず、カラーグレーディングのパフォーマンスはテストできない。さらに音楽ファイルとして.mp3が読み込めないなど、まだまだ途上といった感じだ。エクスポート関連もまだ機能がそろっておらず、他の編集システムとのやりとりはまだ難しい。この辺りはプラグインになっており、動作検証も含めて開発スケジュールがバラバラなのかもしれない。
なおM1バイナリ版で編集したプロジェクトファイルは、正規Intel版で開こうとしても開けなかった。プロジェクトファイルには制作アプリのバージョンが記されており、古いアプリでは開けないというのがPremiereのお約束である。プロジェクトのバージョン表記を書き換える非公式ツールも存在するが、今回はβ版で編集したものをEDL(編集結果のタイムコードリスト)で書き出し、正規版へインポートした。
今回テストで使用したのは、前回同様iPhone 12 miniで撮影したH.265の素材である。一般的なニュース編集同様のカット編集が中心で、途中テロップの追加や音声の整音処理を行っている。
編集時のタイムライン再生は、M1ネイティブのパフォーマンスがよく分かる部分である。再生に引っ掛かりもなく、スムーズだ。CPUの使用率は60%弱だが、GPUは100%近く回っている。ただ、使用しているMacBook Airにはファンがないので、重たい処理をしている感じは見た目からは分からない。
一方、Intel版は、GPUもさることながら、CPUの負荷もかなり高い。それよりも困ったのは、素材フッテージそのままの再生では問題ないのだが、タイムライン上の再生がかなりもたつくことである。両者の何が違うかといえば、音声レベルをいじって整音したぐらいしか違わないのだが、その程度の処理でかなり負荷が違うというのは意外である。
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