韓国Samsung Electronics(以下、サムスン)はオンラインイベント「CES 2021」で、買い替え後不要になったスマートフォンを新たなスマートホーム機器として再利用できるようにするプログラム「Galaxy Upcycling at Home」を1月11日に発表した。
同プログラムでは、使わなくなったスマホを赤ちゃんの見守りモニターなどとして使えるようになる。古いスマホで赤ちゃんの鳴き声を検知すると、今使っているスマホへ通知が送られるという仕組みだ。2021年中にGalaxyスマホの機能として導入するとしている。
家庭のネットワークやスマホとの通信は、Galaxyのセキュリティ機能「Knox」にで安全性を確保しているという。
このプログラムは、17年に始まった同社のCSRプログラム「Galaxy Upcycling」の一環。開始時点ではオープンソースのプログラムとして有志の開発者を巻き込み、旧型のGalaxyを別の電子機器として再活用する方法を模索した。Galaxy Upcyclingを通して、カメラ付きスマホを緑内障などの眼疾患の診断に使える医療機器にする仕組みを開発。この機器は韓国のNGOを通じて、ベトナムに約90台が提供されている。
スマホは機能の進化やセキュリティの観点から、数年での買い替えが望ましいとされている。しかし、世界経済フォーラムと7つの国連機関がまとめたレポートによれば、スマホやPC、家電を含む「電子ごみ」は毎年5000万トンにも上ると推計されている。これは重量でジャンボジェット機12万5000機に相当する大規模なものだが、このうちリサイクルされているのはわずか20%でしかない。
古いスマホがそのままスマートホーム機器として活用できるようになれば、製品としての延命ができる。環境負荷の低減に対して有意義な取り組みといえそうだ。
サムスンはGalaxy Upcycling以外にも環境保護に向けた取り組みを行っている。CES 2021では、乾電池ごみの削減のため、テレビ用リモコンの電源をソーラーバッテリーへ切り替えていくことを発表した。
同社製テレビでは、パッケージの段ボールにも仕掛けがある。ただの梱包材としてだけでなく、子どものおもちゃや家具としても組み立てられるようになっている。21年からすべてのテレビのパッケージにこの仕掛けを取り入れるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR