ピアノ音源で気を良くした筆者は、ドラム音源も乗り換えてやろうと考えた。それまで利用していた、サンプリング型のFXpansion「BFD2」からIK Multimediaの「MODO DRUM」へと移行を試みた。BFD2は、DVD-Rが5枚で約50GBの容量が必要だ。一方のモデリング型のMODO DRUMは約20GB。モデリング音源としては大容量だが、BFDの半分以下ということで、ここは手を打つとしよう。
そこで、意気揚々とIK MultimediaのサイトからMODO DRUMをダウンロード購入したのだが、ここで、大問題が勃発。MODO DRUMのインストールができない。インストーラーを起動すると、「CPUがAVXをサポートしてない」と拒否られる。で、よくよく、IK Multimediaのサイトを読むと、MODO DRUMは「64 bit、AVX命令セット対応のCPU、オペレーション・システムが必要です」と明記されている。
AVX(Advanced Vector Extensions)とは何か。同社のサイトには、「2011年にIntelとAMDによって導入されたCPU用の命令セットの拡張仕様」と記載されている。MODO DRUMの場合、Rosetta 2ウンヌンという次元ではなく、Intel系のCPUでないと、全くお話にならないということを購入後に知るというお粗末さ。仕方ないので、当面は、前出のIntel iMacにインストールして利用することにした。
ちなみに、Appleが公開しているRosetta翻訳に関する情報「About the Rosetta Translation Environment」にも「Rosetta は全ての x86_64 命令を翻訳するが、AVX、AVX2、AVX512 ベクトル命令など、いくつかの新しい命令セットやプロセッサ機能の実行はサポートしない」と明記されている。
IK Multimediaの日本オフィスに同社製品のApple Siliconへの対応予定を聞いたところ、「現時点でBig Sur対応とともに検証中」との返答。ただ、Big Surについては、別の筋から、ほぼ全てのアプリが動作しているという情報を得ているし、Apple Siliconについても、鋭意検証を実施し、MODO DRUMや専用ドライバが必要なオーディオインタフェースを除いては、基本的にRosetta 2で動作しているといううわさは伝え聞く。
実際、筆者お気に入りのAmpliTube 4(最新の「5」は未導入)や、Lurssen Mastering Consoleは、何の問題もなくRosetta 2経由で動作している。MODO DRUMも早期の対応を期待したいところだ。
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