KDDI総合研究所は2月24日、マスク着用時の表情を認識する「顔領域適応型表情認識AI」を開発したと発表した。顔の70%ほどを隠した状態でも90%以上の精度でポジティブ、ニュートラル、ネガティブの表情を認識できるという。
開発した表情認識AIは、顔とマスクの領域を別々に分析。ニューラルネットワークでAIに学習させ、総合評価で表情を認識する仕組み。
学習に当たっては眉間にシワを寄せるなどの特徴があることから目の周辺に着目。鼻、口、頬などの筋肉の露出部分も学習に活用した。マスクを着用した領域は鼻・口・頬の筋肉の動きで生じるマスクのシワを学習させた。
従来技術との比較実験では、新たな表情認識AIの表情認識精度は90%以上に達し、従来技術(58%)を大幅に上回る精度を実現できたという。
KDDI総合研究所はコロナ禍でマスクの着用頻度が高まり、従来の表情認識技術では十分に認識できないことから新技術の開発に着手。今回の開発成果はスマートフォン向けのアプリや、IoTデバイス、ロボットなどへの搭載を想定している。
同研究所は「顧客サービス向上や、事故防止、見守り、グループワークの活性化、人と機械の対話コミュニケーション、マーケティングなどの分野において早期の実用化を目指す」としている。
社員の体調不良をAIが予測 メッセージで毎日質問・分析 KDDIが新施策
KDDI、ネット依存の患者を対象に「スマホ依存」の研究 東京医科歯科大と共同で
KDDIが「スマホ依存」の研究スタート 脳科学とAIで依存予防アプリ開発へ
KDDI総研、データポイズニングされても正しく学習できる手法を開発 レコメンドシステムの信頼性向上に
KDDIらがアスリート支援システム プレーをスマホで撮るとAIが解析 センサー内蔵サッカーボールで球速測定Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR