ITやデジタルガジェットに親しんでいる人の多くが反応したのがこのシーンではないだろうか。
ポッドでの降下後、黒い柱へのハッキングを試みる際に、クルーは柱側のUSB Type-AポートにUSB端子を接続している。そして接続ポートは上下に2つ並んでいたのだが、上側に挿そうとしたところ失敗し、下側も失敗、USB端子をひっくり返してようやく接続できた。
この間、映像の尺としては約2秒。ハッキングの成功が制限時間11秒前であったことを考えると、決してばかにできないタイムロスだったのではないだろうか。
USB Type-Aの「あるある」は、シン・エヴァの世界でも健在だった。
USB Type-Aで黒い柱へ接続したWILLEクルーらが、ハッキング(正確には暗号化されたシステムの復号鍵の特定)に使ったのは、パナソニックのノートPC「TOUGHBOOK CF-19」(US配列仕様)とみられる。
同モデルは防塵(じん)・防滴仕様や高輝度な液晶ディスプレイ、長時間のバッテリー駆動など、屋外の過酷な環境で使うことを想定したもの。現実世界では同社が2007年から2013年にかけて、同じ筐体で中身を変えながら6世代発売していた。
シン・エヴァの世界はサードインパクトでほとんどの人類が滅んでいるため、パナソニックも会社自体は消え去っていると思われる。つまりサードインパクト後の14年間では、一般的な企業による技術発展はほぼなかったはずで、CF-19も作中人類にとっては貴重なテクノロジーというわけだ。同モデルの世代までは特定できないものの、「破」でミサトが使っていたLet'snote F8とほぼ同時期か、より新しいモデルといえることから、作中では“最新のノートPC”として14年間在り続けたのではないだろうか。
現実世界の事情に目を向ければ、エヴァとパナソニックが継続的にコラボを行っていることや、14年間以上という長い期間の動作が見込めそうな頑丈な端末ということで、CF-19に白羽の矢が立ったのかもしれない。
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