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スマートグラス越しの3Dキャラクター、5Gとエッジコンピューティングで高精細に KDDIが実験

» 2021年03月10日 20時42分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 KDDIは3月10日、5Gやエッジコンピューティングの技術を活用し、スマートグラス上でより高精細な3Dキャラクターを表示する実証実験を始めると発表した。日本科学未来館(東京都江東区)で開催するイベント(3月11〜14日、要予約)で一般参加者に公開する。

photo 実験やイベントのイメージ

 実験では、館内のエッジサーバでリアルタイムレンダリングした3Dキャラクター「coh」(コウ)のデータを、館内の5G基地局を介してスマートグラスと連携するスマートフォンに配信。体験者はスマートグラス越しにコウの案内を受けながら、館内の展示と連動するデジタルコンテンツを楽しめる。スマートグラスはKDDIが12月に一般販売を始めた「Nreal Right」を使う。

photo Nreal Right

 KDDIによれば、コウの3Dモデルはデータ量が膨大なため、従来の配信方法ではスマートグラスやスマホの描画処理が間に合わず、動きを滑らかに表示できないという。今回の方法では画質などを保ったまま配信できるため、3Dキャラクターの表情やしぐさなどが表現しやすいという。

 日本科学未来館の瀬口慎人さん(展示企画開発課 課長)は「コロナ禍で博物館の環境が激変したが、デジタル技術を利用してコンテンツを充実させることで、人を引き戻したい」とコメントしている。

 KDDIは今回の実験結果を基に、日本科学未来館以外の施設でも同様の取り組みを行うか検討する。

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