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コスメ取り扱いは「ZOZOの悲願」──専門サイトオープン、ECの弱点は「ZOZOGLASS」でカバー

» 2021年03月18日 18時27分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 「ZOZOCOSME(ゾゾコスメ)の開始は悲願だった」──ZOZOの伊藤正裕COOはこう打ち明ける。ファッション通販サイト 「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは3月18日、コスメ専門サイト「ZOZOCOSME」をオープン。ディオールやロクシタンなど、約500の化粧品ブランドをオープン時からそろえた。

photo 提供ブランドの一例

 これまでファッションアイテムを取り扱ってきたZOZO。女性ユーザー533万人を対象にアンケートを取ったところ、興味のあるジャンルとしては最多がファッションだったものの、次いで美容がランクインしたという。

 「社員からも(新事業として)コスメをやりたいという意見が多く出ていた」と伊藤COO。社内外から待望されるコスメ販売事業を「悲願」と形容するのはなぜか。それは「ECサイトでは化粧品を試せず、肌に合うか分からない」という問題があったからだ。

photo 伊藤正裕COO

 この問題を解決するため、ZOZOは3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT」(ゾゾスーツ)や3D計測用マット「ZOZOMAT」などに次ぐ、新たなウェアラブルデバイスを作った。

「ZOZOGLASS」がユーザー獲得のカギに?

 ゾゾコスメ開始に合わせ、同社が作ったウェアラブルデバイスは「ZOZOGLASS」。ゾゾタウンの公式アプリと一緒に使うことで、ユーザーの肌の色を診断する。これにより、直接の来店や試用機会がなくてもユーザーに合わせた提案ができるという。

photo 「ZOZOGLASS」

 ノーメイクの状態で着用し、スマートフォンのカメラを使って上下左右の多方面から顔全体を撮影すると、ヘモグロビン量とメラニン量を推定し、肌のトーンを計測。肌色にマッチしたコスメをレコメンドする。

photo

 ZOZOGLASSを使った商品のレコメンド機能は現状はファンデーションのみの対応だが、今後、リップやチーク、マスカラにも対応する。ARを使い、スマホ画面上でメイクを体験できる「ARメイク」機能も開発中という。

photo 開発中の「ARメイク」

 専用サイトで申し込みでき、料金は無料。これまでに50万人が申し込み済みで、ユーザーの自宅に届くまでに2週間から5週間程度かかる見込みとしている。

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高級ブランド専門サイトも復活 多角展開で成長狙う

 ゾゾコスメの他、同日には高級ブランド専門サイト「ZOZOVILLA」(ゾゾヴィラ)もオープンした。10年から同名のサービスがあったが、14年にゾゾタウンに統合されたため、7年ぶりの復活となる。90のラグジュアリーブランドのバッグなど1万4000のアイテムをそろえた。

photo 提供ブランドの一例

 ZOZOは、ファッション好きユーザーのニーズにテクノロジーで応える「MORE FASHOIN×FASHION TECH」という戦略を掲げている。これらのサービスを通してさらに多くのユーザー獲得や満足度向上につなげたい考えだ。

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