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Visaタッチ対応改札の実証実験がスタート 反応速度は? 設置した南海電鉄の狙い【動画あり】(1/3 ページ)

» 2021年04月05日 19時45分 公開
[石井徹ITmedia]

 南海電気鉄道は4月2日、Visaのタッチ決済とQRコード乗車券に対応する自動改札機を報道公開した。改札機は南海電鉄の16駅に設置。乗客も実際に利用できる形の実証実験として、4月3日から12月12日まで運用する。

 Visaのタッチ決済の導入は主にインバウンド向けのサービス向上を狙う。南海電鉄は関西の大手私鉄の一角で、大阪市の中心部を起点に関西国際空港や和歌山市、高野山を結ぶ路線網を持つ。関西国際空港から大阪に直通するため、多くの訪日外国人が最初に利用する路線となっている。

南海難波駅3階に設置されたゲート型のVisa/QR専用改札

切符を買わずにVisaで決済可能

 Visaのタッチ決済では、Visaのクレジット、デビット、プリペイドカードで直接改札を入出場する仕組みを導入。スマホでもGoogle PayやApple Pay(日本国外向け)で対応カードを登録すれば利用可能。

Visaのタッチ決済に対応していれば、デビット・プリペイドカードでも利用可能

 Visaのタッチ決済に対応したカードを持っていれば、事前の登録などは不要。乗車駅と降車駅に専用の改札機がある区間であれば、SuicaやPiTaPaなどの交通系ICカードと同じ感覚で乗降できる。

 運賃は改札出場時(降車時)に決済され、当日夜に1日分の運賃がまとめて引き落とされる。Visaのタッチ決済を利用して乗車した場合、決済情報からは利用区間は確認できない。乗車履歴を確認するため、無料のWebサービス「Q-move」が提供される。

デジタルチケット向けQRコード改札も導入

 QRコード改札は、専用のデジタルチケットを利用するための仕組み。第1弾として、沿線住民向けの「時差通勤応援きっぷ」の発行が予定されている。

QRコード乗車券はデジタルチケットとして販売数分で認証コードが切り替わる動的QRコード方式を採用 QRコード乗車券はデジタルチケットとして販売(左)、数分で認証コードが切り替わる動的QRコード方式を採用(右)

 時差通勤応援きっぷは、午前9時以降の利用を条件に、最大3割引きで販売される回数券。南海電鉄公式アプリ「南海アプリ」で5月から7月までの乗車分が順次発売される。

 南海電鉄では、実証実験期間中の12月までに複数種のデジタルチケットを展開する予定。

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