そしてデジタル一眼レフが今後どんどん普及していくだろうという時期に、ニコンはタイの自社工場でデジタル一眼レフの製造を始める。最初の製品は「D70」。2004年のことで、もう17年も前の話である。
D70はD100をよりカジュアルにしたカメラで、なんと15万円で登場。今のD7xxxシリーズのルーツと思っていい。
それ以降、D100の兄貴的後継機D200やD300を含めて、ハイエンド機以外はタイ工場で生産されるようになった。
その後の歴史を見ていこう。
2005年には「D200」と、エントリーモデル「D50」が登場。
2006年のD40と高画素版のD40xはごろんとして小さくて可愛くていろいろとそぎ落として(例えば古いAFレンズを駆動するためのボディ内モーターを取り去ったり、AF測距点を3点に減らしたり)、ボディが6万円弱という超低価格を実現。
これはなかなか画期的だった。今のD3000/D5000番台のルーツだ。
2007年にはフルサイズセンサー(FXフォーマット)を搭載した「D3」が登場。
D1桁シリーズとして2020年発売のD6まで続いている。プロ向けのフラッグシップモデルで日本での生産だ。
その後、フルサイズセンサーの一眼レフに力を入れたニコンは、エントリー向けの「D600」シリーズ(これは短い運命だったが)、ミドルクラスの「D700」シリーズ(D780が最新。これは良い)、高画素のD800シリーズと展開していくのである。
途中、「Nikon Df」というマニュアル撮影メインのマニアックなカメラもあった。
さてちょっと戻って、2008年発売の「D90」でニコンでは初めてライブビュー機能と動画撮影機能を搭載した。
ただ、ライブビュー時のAFは遅くてレリーズタイムラグも大きかった。初期の一眼レフのライブビューはそんなだったのだ。
キヤノンが2013年にデュアルピクセルCMOSセンサーを開発してライブビューでも快適な操作を実現したのに対し、ニコンは出遅れたってのが、一眼レフでも背面モニターで撮る人が増えてきた時代には痛かったと思う。
2010年からD2桁シリーズがD4桁シリーズになり、D7000が登場する。これはバランスがとれた名機だったといっていい。
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