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東京で走り出した電動キックボードシェア「Luup」 思い知った最高時速15kmの現実(1/3 ページ)

» 2021年05月14日 11時03分 公開
[武者良太ITmedia]

 ヘルメットを必要としない電動キックスクーター(電動キックボード)が東京で走り始めている。

 東京以外でも、千葉県千葉市・柏市、神奈川県藤沢市、大阪府大阪市、兵庫県神戸市・豊岡市、福岡県福岡市でも同様に、2021年10月までにノーヘルで運転できる電動キックスクーターが走り出す見込みだ。

 これは、経済産業省が認定した産業競争力強化法に基づく新事業特例制度によるもの。上記の地域において、マイクロモビリティ推進協議会に属する4社の電動キックスクーターを用いた公道走行実証実験というわけだ。

 電動キックスクーターの道路交通法における車両区分は、フォークリフトやトラクターと同じ小型特殊自動車。最高時速は15kmの制限があり、ヘルメット装着は任意。自転車専用道路が走行できる他、一方通行だが自転車は双方通行が可能な道路は、自転車と同様に逆走できる。

 この新事業特例制度にいち早く対応したのが、シェアサイクルサービスの「Luup」(東京都渋谷区)だ。同社は2020年5月から小型の電動アシスト自転車を用いたシェアリングサービスを提供してきたが、新たに100台の電動キックスクーターを導入した。

photo Luupの電動キックスクーター

 現時点では都内約300カ所にある駐車ポートのうち、約200ポートで電動キックボードの乗り降りを可能としている。順次台数も、利用可能な駐車ポートも増やしていくという。

 利用料金は実証実験期間中の特別価格で、10分間の初乗りが110円(税込、以下同)、以後1分ごとに16.5円が加算されていく。参考までにNTTドコモが提供している赤い電動アシストシェアサイクルは、最初が30分165円。以後30分ごとに110円となっている。

photo Luupの電動キックスクーターはアプリを使ってロックを解除する

 ゴールデンウイークのある日、渋谷にあるLuupのポートへ向かった。もちろんLuupの電動キックスクーターに乗るためだ。

 利用するには、iPhoneとAndroid用に提供されているアプリ「LUUP」のユーザー登録が必要。

 アプリに名前などの個人情報を登録し、自分の免許証を撮影してアップロードする。ヘルメットを装着するかどうかは利用者に任されているが、小型特殊自動車の車両となるため普通自動車免許や普通二輪免許を所持していないと乗ることができない。そう、原動機付自転車免許(原付免許)では利用できないことに注意したい。

photo ライド前確認事項

 登録時には、小型特殊自動車の道交法にまつわるテストも行われる。50ccなどの原付バイクとは扱いが違うということを教えてくれるもので、解説を読んだ後で回答を変更できるため必ず満点が取れる仕組みになっていた。

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