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Intelが生み出したさまざまなPC標準規格 Microsoftとの協力と対立“PC”あるいは“Personal Computer”と呼ばれるもの、その変遷を辿る(4/4 ページ)

» 2021年05月25日 15時10分 公開
[大原雄介ITmedia]
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 ちょっと毛色が違うのはIEEE 1394である。これはもともとApple Computer(現Apple)がFireWireとして提唱した規格である。

 当初はAppleとTIで開発していたが、途中から色気が出てきたのか、ソニーとパナソニックが加わり、さらにPhilips、LG Electronics、東芝、日立製作所、キヤノン、SGS Thomson、TIなどが加わってIEEEでWorking Groupを結成。最終的に1995年にIEEE 1394-1995として標準化が完了した。

 AppleがFireWireを製品として発表したのは1999年のMacworld Expo/San Franciscoでのことで、最初に規格が提唱されてからずいぶんかかった格好だ。

 ではIALはFireWireというかIEEE 1394をどうしたかというと、こちらは将来IntelベースのPCにFireWireが搭載される可能性や、その場合の実装について調査したとか、ドライバに関してPnPの実装方法を研究したとかいうレベルで、別に1394 Trade Association 1394TAで積極的に活動したという感じではなさそうである。

 実際、2000年くらいまではDevice Bay(Compaq、Intel、Microsoftが1997年に立ち上げた、拡張デバイス向け標準規格。2001年には事実上死に絶えた)向けにUSBとIEEE 1394を供給する(写真1)というアイデアを提唱していた(写真2、写真3)ものの、この後はIEEE 1394に見切りをつけてUSBの高速化に走っている。

photo 写真1:Device Bayの基本的なアイデア。ホストからはUSBとIEEE 1394、それと電源をデバイスに供給することで、さまざまなデバイスを交換しながら利用できるというアイデア。出典は“Technology White Paper:Introduction to Device Bay Interface Specification”
photo 写真2:COMDEX 1998のDevice Bayのブース展示より。COMPAQのDeskProに2台分のスロットが用意されている。マシンの上に置いてあるのがDevice Bay対応デバイス
photo 写真3:Device Bayの応用。4chのRS-232Cポートを利用できるようにするというもの。またHost側の外部USBポートとIEEE 1394ポートを使って、本体の外部にDevice Bayを置くことも可能というデモ
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