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» 2021年05月31日 12時39分 公開

米国による制裁後もファーウェイは死なず Androidを代替するHarmonyOSはどんな状況なのか(2/2 ページ)

[山谷剛史,ITmedia]
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「HarmonyOS」による家電連携が当面の戦略か

 先行して発売されている鴻蒙ことHarmonyOS 1.0搭載のスマートテレビ「華為智慧屏」も、同社製のスマートフォン、Webカメラ、スマートウォッチ、フィットネス機器などと連携し、スマートフォン数台のゲーム画面をディスプレイ上に映し出したり、ルームランナーとスマートウォッチと連携してフィットレスのレッスン画面を表示しながら脈拍や利用データなどを収集しまとめることが可能となっている。

 HarmonyOS搭載機ではないが、発売済みの車載ディスプレイ製品においても同様に対応スマートフォンとのシームレスな画面連携ができる。

 中国のスマート家電というとXiaomiをイメージするだろう。Xiaomiは対応家電とスマートフォンとをつないで、アプリからさまざまな設定や、利用記録の蓄積・分析ができる。

 対してHuaweiのアプローチはさらに、ディスプレイがある機器同士をつなぎ、スマートテレビにWebカメラやスマートフォンの画面を表示するといったこと可能にする。より直感的にさまざまな家電をあらゆるディスプレイのある機器で操作するというものだ。

 Huaweiはスマートディスプレイをプッシュしているが、他にも対応するスマートフォン製品がないと心もとない。

 Huawei自体がネットワークカメラなど対応製品を発売するほか、「華為智選」というHuaweiお墨付きのスマート製品販売を販売するプラットフォームを用意。ロボット掃除機やランニングマシンやドアホンなどさまざまな対応他社製品を販売し、対応製品のラインアップを拡充させている。

 中国では何かとQRコードを使ってスマートフォンとサービスの連携を行いがちだが、Huaweiの機器はおおむねNFCを利用して連携する。つまり同社スマホを対応機器にピッとタッチするだけでリンクするというものだ。

 Huaweiのスマートフォンやスマートテレビや各種対応機器をそろえることで、ワンランク上の各機器がつながって便利に利用できるという提案をしている。現状ではスマートフォン自体を売り込むのではなく、つながると便利で楽しいということをコンシューマー向けに売り込んでいるのだ。

 一方GoogleのOSやサービスが利用できないため、分散式オペレーティングシステムHarmonyOSをプッシュしている。

photo スマートホームをHarmonyOSで統合するとアピール

スマホ向け「HarmonyOS 2.0」(β版)が登場

 これまでHarmonyOS搭載機種はテレビやWebカメラなどで搭載機種が出ていたが、4月末に同社の新機種でインストールできるスマートフォン向けHarmonyOS 2.0のβバージョンをリリースした。

 6月にもHarmonyOSに関する何らかの発表があると予告していて、とにかくコンシューマーで忘れられないように、対応のスマート製品の発表をコンスタントに行っている。

 正式なローンチについては今年の10月を目標としているが、GoogleのGMS(Google Mobile Services)に含まれる各種サービスを代替する地図・メール・動画・検索など各種サービスについての進捗に関するニュースはあまり聞かない。まずはGMSがなくてもなんとかなる中国でのリリースを優先するのではと予想する。

 スマートフォン向けHarmonyOS 2.0だが、見た目は同社のカスタムROMで独自UIの「EMUI」そのままで、Android用のアプリもそのまま動くと報告されている。ユーザーからすればスマートフォン単体で利用する限りは違いが気にならないレベルだろう。

 もともとのアナウンスによればAndroid+EMUIよりも、メモリ使用量は少なく軽快に動作するというが、インストールしたユーザーのレポートによれば、βバージョンと動作の軽快さはほとんど変わらないという。

 HarmonyOSはやはり対応機器同士で画面をシームレスにつながることがポイントだ。同社のスマートフォンやノート`Cやテレビで、同じコンテンツを同期できるようにもなる。

 例えばビデオチャット時にHarmonyOS搭載のWebカメラからの映像をリアルタイムで出す、スマートフォンの画面をノートPCに映す、スマートテレビでビデオチャットしながらスマートフォンの画面をリアルタイムに送る……といったことができ、さらにさまざまな家電を直感的に接続できるようになる。

 発売済みのHarmonyOS対応ハイエンドスマホや、スマートディスプレイをハブに、Xiaomiよりもさらに直感的で分かりやすいスマート製品を続々とリリースし、Huaweiだからこそできる体験を求めるユーザーを当面は囲い込んでいく、というわけだ。新しいスマートフォンのリリースはもうしばらくは出ないと予想している。

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