米Googleは6月14日(現地時間)、オフィススイート「Google Workspace」(旧「G Suite」)に関連するプラン追加や新機能追加などを発表した。
Google Workspaceは、米Microsoftの「Microsoft 365」のようなオフィススイート。「Gmail」「チャット」「ミート」「ドライブ」「カレンダー」「ドキュメント」「スプレッドシート」「スライド」などのサービスをグループウェアとして利用するための組織向けオンラインアプリセットだ。
Googleは「本日より、Googleアカウントを持つ人なら誰でもWorkspaceを利用できるようにした」と発表した。実際にはもちろん有料の企業向けプランで提供する機能のすべてが使えるようになるわけではない。
Gmailアプリに「GmailのChatへようこそ」というポップアップが表示され、これに「OK」するとアプリ画面下部のタブに「チャット」と「チャットルーム」が追加される。「誰でもWorkspaceを利用できる」というのは、昨年7月にG Suite版のGmailで実施されたGmailのコミュニケーションのハブ化を全ユーザーに拡大するということのようだ。
これにより、ユーザーはGmailアプリから離れずにチャットやミートを利用し、例えばチャットのメッセージでタスクを作成したりスプレッドシートを共有したりできるようになる。
Google I/Oで予告した「smart canvas」機能も利用できるようになるようだ。
グループチャット機能「Rooms」(日本では「チャットル−ム」)を今夏「Spaces」に改称し、「人、トピックス、プロジェクトを整理するためのWorkspaceの新たなホームにする」という。カレンダー、ドライブ、タスクとシームレスに統合し、Spaces上でドキュメントを作成して共有したり、カレンダーでステータスを確認したりできるようになる。
Spacesへの移行は、Gmailでチャットを有効にしたユーザー全員に今夏ロールアウトする見込みだ。
ちなみに、このSpacesはGoogleが2017年に提供を終了したSNSサービス「Spaces」とは無関係だ(もちろん米Twitterの「Spaces」とも無関係)。
有料のWorkspaceには現在、「Business Starter」(1人当たり月額680円)、「Business Standard(1360円)、Business Plus(2040円)、Enterprise(料金は組織規模による)があるが、新たに「Individual」(米国での料金は9.99ドル(約1100円)という、Starterよりやや高いプランが追加になる。
独自のドメインやカスタムメールアドレスを設定せずにWorkspaceのツールを利用できるとあり、中小企業オーナー向けのようだ。
Individualプランは“間もなく”日本を含む6エリアで提供を開始する。
Workspaceでは既に施設間でのデータ転送および保存データを暗号化しているが、ユーザーが暗号キーを直接制御できるようにするIDサービスを追加する。これにより企業顧客はITAR、CJIS、TISAX、IRS 1075、EARのデータ主権要件とコンプライアンス要件を満たすことができるとしている。
キーアクセスサービスAPI仕様を今年後半に公開する予定。
【訂正:2021年6月15日午後1時30分 当初、一部で「ミート」は「Spaces」に名称変更するとしていましたが、記事タイトル通り名称変更するのは「Rooms」です。混乱を招いてしまい、大変申し訳ありません。修正しました。】
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