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「真のマルチタスク」を実現した「2画面スマートフォン」のこれからデジタル・イエスタデイワンスモア計画(3/6 ページ)

» 2021年06月30日 11時58分 公開
[甲斐祐樹ITmedia]

「大画面」「2画面」それぞれに特化した2画面スマートフォン第2世代

 あくまで1画面+αでとどまっていた2画面スマートフォンに大きな動きがあったのが、「M」が発売された翌年となる2019年のこと。サムスン電子は、ディスプレイを折りたためる「Galaxy Fold」を発表。同じ韓国メーカーのLGエレクトロニクスは外付けケースに装着して2画面を実現する「LG V50 ThinQ」を発表し、国内では同様の構造となっている2画面スマートフォン「LG G8X ThinQ」がソフトバンクから発売された。

photo Galaxy Fold
photo LG G8X ThinQ

 Galaxy Foldは、折りたたみ時は1画面のスマートフォン、開いたときには大画面のスマートフォンとして利用できるスタイル。2画面についてはZTEのMと同様、Androidのマルチウィンドウ対応のアプリを別々に表示することが可能だ。

 一方のLGは独自の実装により、2画面それぞれ別のアプリが動作できる環境を実現。前述の通り、マルチウィンドウは表示できるアプリに制限があるが、LGの2画面スマートフォンは基本的に全てのアプリが2画面どちらでも表示できる。

 一方で2画面を1画面とする大画面表示については、中央をベゼルが邪魔するため視認性が落ちるということに加えて、原則として大画面表示できるのはChromeやGoogle マップなどごく一部のアプリのみに限定されるなど、大画面としての利用は補助的な役割にとどまっている。

 Galaxy Foldの場合は1つのディスプレイを折りたたんでいるため、厳密には2画面とはいえない点もあるものの、1世代前の2画面スマートフォンが切り開いた「大画面」と「2画面」という特徴に、それぞれに特化した進化を遂げている点が第2世代の特徴といえるだろう。

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