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» 2021年07月20日 14時00分 公開

自分の声が500円でAIボイスに? 音声読み上げソフト「CoeFont CLOUD」の品質を動画でチェック(2/2 ページ)

[谷井将人,ITmedia]
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音源を公開して収益化も

 実は、自分の声を音声読み上げソフトにできるツールやサービスは前からある。最近ではエイベックス傘下のコエステ(東京都港区、当時は東芝デジタルソリューションズ)が2018年に、自分の声を音声読み上げソフトにできるアプリをリリースした。

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 こちらは、収録するせりふが10個からで利用料は無料。CoeFont CLOUDに比べても手軽といえるだろう。

 ではCoeFont CLOUDは何が新しいのか。それは、完成した音源を一般公開して収益を得られるプラットフォームを用意している点だ。

 ここまで出てきた500円プラン、1000円プランというのは、音源を作る側のプランだ。同サービスにはこの他に音源を使う側向けのプランもある。月額利用料は個人向けの「Lite」プランが500円。法人向けの「Business」プランが3万円。使う側はそれぞれ順に5万ポイント、300万ポイントのサービス内ポイントを毎月取得し、それで音源を使う権利を買う仕組みだ。

 作る側はCoeFont CLOUDの音源一覧ページに音源を公開し、使う側は音源一覧ページから好きな音源を選んで使う。シンプルなECサイトのようなプラットフォームになっている。

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 作る側は音源の利用料を「1文字合成するごとに5ポイント」というように定めて公開できる。例えば1000文字の文章を読ませる場合、使う側は5000ポイント消費し、作る側は5000ポイント取得する。作る側は取得したポイントに応じて収益を得られる。この場合の収益は7円。

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 1文字あたりの消費ポイントを大きくすれば利益率は上がるが利用者は減るかもしれない。額が小さいので、価格付けをいろいろ試して小中学生の自由研究テーマにするのも良さそうだ。

自分の読み上げソフトの使い道

 CoeFont CLOUDではこのように自分の声をAI音声読み上げソフトにして収益を上げられる。しかし、自分の声をソフトにしてどうするのか。そこにはさまざまな可能性がある。

 一つは声の保存だ。あらかじめ自分の声をソフトとして保存しておけば、病気やけがで声が出せなくなったときにも自分の声を再現でき、場合によっては死者の声も聞き直せる。賛否両論あるが。

 もう一つが分身だ。AI音声読み上げソフトは自分の分身ともいえる。品質が十分なら、例えばアナウンサーや声優がスケジュールの関係で出られなかった仕事にAIを送り込み、代わりに話してもらうこともできる。「AIに仕事を奪われる」という表現もあるが、これならAIが仕事しただけ自分にも収益が入ってくる仕組みを作れる。

ディープフェイクや放送禁止用語対策も

 逆に懸念もある。分身は偽物にもなり得るからだ。例えば、自分の音源を使ってわいせつな音声が作られたり、犯罪に使われたりする恐れがある。道具は使い方次第というわけだ。

 CoeFont CLOUDはこの点についても対策をしている。一つが許諾の設定だ。作る側は、必要に応じて許諾がないと音源を使えないようにできる。これにより「知らないうちに知らない人が自分の声を使っている!」という事態を避けられる。

 もう一つの対策が放送禁止用語だ。CoeFont CLOUDでは、放送禁止用語を入力して再生された場合に音声を合成しないようブロックする機能がある。

 どんなツールでも抜け道を見つけるユーザーはいるため、完璧に問題をシャットアウトするのは難しい。しかしそれはAIや道具のせいではなく使う人間の問題だ。新しい技術が好きで、CoeFont CLOUDを使おうとしている人は、この点についても考えておいた方がいい。


 音声読み上げソフト業界に、安さと収益化可能なプラットフォームとしての機能を引っ提げてやってきたCoeFont CLOUD。他の音声合成サービスが価格や機能で追随してくるのか、業界の動きに注目したい。

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