日本高等学校野球連盟(日本高野連)は7月28日、8月に開幕する全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)の開催に向け、クラウドファンディングで1億円の資金を募ると発表した。新型コロナの感染拡大で2021年度は一般向けチケットの販売を断念。収益の柱としてきたチケット収入が見込めなくなったため。クラウドファンディングで得た収益は開催費用などに充てる。募集期間は8月31日までで、寄付額は1口3000円から。
【訂正:2021年7月30日午後10時4分 記事初出時、手数料16.5%を差し引いた額が日本高野連に支払われるとしていましたが、朝日新聞社によると今回のクラウドファンディングでは実費相当分以外はもらわないとのことでした。お詫びして訂正いたします。】
コロナ禍以前の大会では、約6億5900万円の収入があったという。日本高野連はチケット販売を断念したことに加え、PCR検査やベンチの消毒など新型コロナの感染対策に多額の費用が掛かることから、クラウドファンディングの実施に踏み切ったとしている。
クラウドファンディングは大会を主催する朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサイト「A-port」で募集。最大50万円まで寄付でき、返礼品はないものの、支援者には個別にお礼状の送付やサイト上に名前を掲載するなどのリターンがあるという。
お礼状の郵送代や外部事業者の決裁手数料などの実費相当分を総支援額から差し引いた金額が日本高野連に支払われ、大会の運営費用や都道府県の高野連組織の運営費用に活用される。
同サイトを利用する場合、通常は総支援額から16.5%の手数料などが差し引かれるが、朝日新聞社によると今回の支援プロジェクトは適用外という。同社は手数料の割合について「非公表」とした上で「弊社に利得が生じるものではない」とコメントしている。
【編集履歴:2021年7月30日午後11時33分 朝日新聞社に手数料について問い合わせところ、回答を得られたため、加筆しました。】
日本高野連は「経費の削減に務めていますが、財政的な状況は極めて厳しく、このクラウドファンディングを通じて、ご支援をいただければ幸いです」としている。
記事執筆時点では293人から約187万円の寄付が集まっている。
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