FAXを現役で使っている人から話を聞いたところ、目立ったのは小学校や役所、病院とのやりとりだ。役所でFAXが現役なこともあり、特に公立の学校関連や介護施設とやりとりするのに必須、といった声があった。
小学校の出欠連絡がFAXのみ、というケースもあるという。「病欠の連絡をするために、ぐったりした子供を連れてコンビニまでFAXを送りにいくのは現実的ではない」と、やむを得ず買った家庭や、家族が世話になっている病院・介護施設との連絡に必須だったので、買わざるを得なかったという家庭もあった。
さらには、
といった意見も。中には「オンラインセミナー参加の受付がFAXのみ」という、冗談のような話もあった。
FAXが多用されている業界は、海外にもあるようだ。米メディア・The NewYork Timesの2021年7月8日付記事によると、米ヒューストンの公衆衛生当局が、新型コロナウイルス関連の報告のFAXを1日1000件も受けており、対応に苦慮しているとのこと。ある研究所から大量のテスト結果が送られ、「数百ページのFAXが、床全体にばらまかれた」こともあると嘆いている。
冒頭のNHKの話に戻ろう。NHKが選手への応援メッセージを「FAXで受け付けた」理由を、広報部に改めて聞いてみたところ、こんな回答だった。
NHKでは、ネット環境の有無などを問わず、幅広い世代の様々な視聴者からメッセージをいただくため、複数の手段でメッセージを募っています。FAXでは手書きの文章やイラストなどをお寄せいただけるため、お送りいただいた視聴者のお気持ちが表現されやすく、充実した放送サービスにつながっています。
NHKはTwitterやメッセージフォームでも応援メッセージを受け付けていたが、FAXの世帯普及率がまだ3割もあり、高齢者の連絡手段としては現役と考えると、FAX「でも」メッセージを受け付けるのは納得だ。
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