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意外に現役? 家庭のFAX 普及率3割、TVゲーム機より上 最近買った人の理由は……(2/3 ページ)

» 2021年08月11日 10時43分 公開
[岡田有花ITmedia]

 FAXを現役で使っている人から話を聞いたところ、目立ったのは小学校や役所、病院とのやりとりだ。役所でFAXが現役なこともあり、特に公立の学校関連や介護施設とやりとりするのに必須、といった声があった。

 小学校の出欠連絡がFAXのみ、というケースもあるという。「病欠の連絡をするために、ぐったりした子供を連れてコンビニまでFAXを送りにいくのは現実的ではない」と、やむを得ず買った家庭や、家族が世話になっている病院・介護施設との連絡に必須だったので、買わざるを得なかったという家庭もあった。

 さらには、

  • 耳の遠い知人への連絡に使う
  • 通販や定期購入で、FAX申し込みしか受け付けていないところがある
  • 不動産など、主な連絡手段がFAXの業界もいまだに多い

 といった意見も。中には「オンラインセミナー参加の受付がFAXのみ」という、冗談のような話もあった。

日本だけじゃない?

 FAXが多用されている業界は、海外にもあるようだ。米メディア・The NewYork Timesの2021年7月8日付記事によると、米ヒューストンの公衆衛生当局が、新型コロナウイルス関連の報告のFAXを1日1000件も受けており、対応に苦慮しているとのこと。ある研究所から大量のテスト結果が送られ、「数百ページのFAXが、床全体にばらまかれた」こともあると嘆いている。

NHK「手書きのFAXは視聴者の気持ちが表現されやすい」

 冒頭のNHKの話に戻ろう。NHKが選手への応援メッセージを「FAXで受け付けた」理由を、広報部に改めて聞いてみたところ、こんな回答だった。

 NHKでは、ネット環境の有無などを問わず、幅広い世代の様々な視聴者からメッセージをいただくため、複数の手段でメッセージを募っています。FAXでは手書きの文章やイラストなどをお寄せいただけるため、お送りいただいた視聴者のお気持ちが表現されやすく、充実した放送サービスにつながっています。

 NHKはTwitterやメッセージフォームでも応援メッセージを受け付けていたが、FAXの世帯普及率がまだ3割もあり、高齢者の連絡手段としては現役と考えると、FAX「でも」メッセージを受け付けるのは納得だ。

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