この記事は、Yahoo!ニュース個人に8月10日に掲載されたまだまだ現役!家庭のFAX 普及率はTVゲーム機より高い その使い道は…令和の“最新FAX事情”を、一部編集して転載したものです。
中央省庁でFAXを全廃する――今年6月、河野太郎行政・規制改革担当相がこんな宣言をして話題になった。だが7月にはトーンダウン。反対意見が多数寄せられ、全廃は断念したと報じられている。
家庭用ではどうだろうか。「FAXはまったく使っていない」という人も、多いかもしれない。
東京五輪開幕の際に、ちょっとした騒動があった。NHKが選手への応援メッセージを「FAXで」募集していたことに対して、「なぜ2021年に、あえてFAXなのか」とやゆする声が一部で上がったのだ。
FAXは本当に“過去の遺物”なのか。調査データや、実際に利用している人の声から考えてみる。
総務省の令和2年(2020年)の通信動向調査によると、FAXの世帯普及率は33.6%。3軒に1軒が持っている計算になる。この数字は、タブレット端末の普及率(38.7%)、家庭用テレビゲーム機の普及率(29.8%)のちょうど間に位置している。
ただ、世帯主の年代別で見ると大きな偏りがある。同じ調査の平成28年(2016年)版によると、20代のFAX保有率はわずか1.9%なのに対して、30代で15.2%、40代で39.1%、50代で48.0%と、年代が上がるごとに跳ね上がっており、60代以降はどの年代でも5割前後(最多は70〜76歳の56.2%)という数字だ。
5年前の調査でこの数字なので、FAX保有率の”世代別格差”は今、当時以上に開いていそうだ。
FAXは今、何に使われているのだろうか。
昭和53年生まれ(42歳)の記者の場合、中学生ごろから実家にFAXがあった。実家が商売をやっており、注文書や納品書などもよく送られてきていていた他、LINEもメールも無かった当時は、FAXを友人との手紙のやりとりにも使っていた。
実家の商売は数年前に閉じたが、FAXは今もある。用途を親に聞いてみたところ、「通信販売の申し込みをFAXで送ったり、お葬式の連絡がFAXで来たりする」とのこと。ただ「今はほとんど使わなくなった」とも話していた。
このように、「前からあったから、なんとなく置き続けている」という家庭は多い一方で、「必要に迫られて、最近新たに買った」という家庭もあるようだ。
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