「2030年、ロボットに業務を奪われ、失業する人は現役世代の19%」──理系研究者たちのこんな予測を日経BPコンサルティングが8月12日に発表した。研究者からは「ロボットやAIで生活の利便性は高まるが、それによって生まれる余剰労働力を新たな産業で活用できなければ、貧富の差が拡大する」などの意見が出たという。
調査は大学教授・准教授などの理系研究者112人に対してインターネットで実施。2030年時点でのテクノロジーやサービスの普及度、AIやロボットとの協働状況などについて尋ねた。
2030年までに普及する技術・サービスは「新築住宅(マンションを含む)のスマートホーム化」と予測する人が77.7%と最も多かった。以下「バイオデグラダブル(生分解性)の製品、包装、緩衝材」が71.4%、「無人の工場、店舗、物流倉庫、宅配搬送」が69.6%と続いた。
2030年時点の各種サービスの普及状況について、研究者たちはどう予測しているのか。「全て(完全に普及)」「8〜9割程度」などの回答結果を基に加重平均値を出したところ、最も普及率が高くなると見込まれていたのは「決済行動に占めるキャッシュレスの割合」で69%だった。次いで「行政サービスのデジタル化」が52%という結果だった。
一方、無人の工場や店舗、無人宅配などの普及で「ロボットに業務を奪われ、失業する人は現役世代の19%に及ぶ」という予測も。これについて研究者からは「貧富の差、先端的な技術が享受できる状況・地域かどうか、思考が先進的か保守的か、などの分断による社会の不安定化が懸念される」といった意見が出たという。
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