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“iPhoneを手持ちで自撮りするだけ”の全身モーションキャプチャー センサーをフルに使い全身姿勢をリアルタイム推定Innovative Tech(2/2 ページ)

» 2021年08月31日 08時00分 公開
[山下裕毅ITmedia]
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 頭と胴体の相対的な空間配置は分かっているため、スマートフォンを持っている腕はアバターの肘を、肩とスマートフォンをつなぐように表現できる。だが、もう片方の手や腕の動きを再現するのは非常に難しい。現段階では、スマートフォンを持っていない手でタッチ操作する時だけアニメーションさせている。将来的には、スマートウォッチで検出したいという。

photo スマートフォンを持つ腕と視線を追跡しアニメーションさせている様子
photo スマートフォンを指でタッチする操作

 歩行を再現するためには、ユーザーの体の位置が6自由度なのを利用し、アバターの上半身から2足歩行のアニメーションをサポートするVRIKを実行して推定する。

 頭がスタート時の高さよりも高いか低いかを計算し、それに応じてアバターをアニメーション化する。頭が直立時よりも高い位置にある場合は、ユーザーが何かの物体に乗り上げたと推測できるため、足が床から離れる様子を表現する。頭がスタート時よりも低い位置にある場合は、脚を曲げる。

photo (左端)ユーザーが立っている状態(中央左)歩いている状態(中央右)座っている状態(右端)箱の上に立っている状態

 今回の手法によるポーズトラッキングを、光学式トラッキングシステムと比較してみた。その結果、胸から下の部分のセンサーデータが存在しないにもかかわらず、脚を含めたほとんどの関節の誤差を3D空間内で25センチ以内に収められることが分かった。

 このシステムの活用例としては、ゲームやバーチャルシーンでのアバター操作などを挙げられる。スマートフォンを持った腕は自在に動かせるため、ボディーランゲージや握手などの表現が行えるという。

photo アバターの動きやゲーム内での制御などで活用
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