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M1 Macに対応した「DaVinci Resolve 17.3」、3倍速いは本当か小寺信良のIT大作戦(2/4 ページ)

» 2021年08月31日 08時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

おおむね向上がみえる再生パフォーマンス

 今回比較するバージョンは、「旧」が17.2.2 BUILD 4、「新」が17.3 BUILD 14である。見た目で大きく変わったところはなく、About画面を表示させてバージョンの違いが確認できる程度だ。

 今回のコンテンツでは、いったんカットで編集したものに対し、「調整トラック」を使って全体に一律のカラーグレーディングをかけている。また音声はノイズリダクションをかけたあと、SoftClipで音圧を稼いでいる。この下地に対して、今回はなるべく高負荷になるようエフェクトを使用。最終的なコンテンツは、以下のリンクで確認していただきたい。

コデラ家のハタケ

 オープニングの口上の後にタイトルとなるが、実はドロップシャドウの色味を変えるため、タイトルは2つのトラックを重ねている。それぞれにモーションブラーがかかっているので、簡単そうに見えて負荷が高い部分である。同時に音楽も加えている。

 旧バージョンではコマ落ちなしには再生できず、フレームレートを見ると18.3となっている。音声トラックはリアルタイム再生しているが、映像はカクカクだ。

photo 旧バージョンでタイトル部分をリアルタイム再生

 一方新バージョンで同じ場所を再生させてみると、フレームレートは27.7となっており、この時点ですでにパフォーマンスとしては1.5倍の違いがある。何度も同じ場所を再生していると、レンダリングキャッシュができて高速化していくので、時間がたてばどちらもリアルタイム再生できるようになる。それでも初見でそこそこ早いと仕上がりイメージを早く確認できるので助かるのだ。

photo 新バージョンでタイトル部分をリアルタイム再生

 なお、普段「コデラ家のハタケ」は4K/30p/H.264で撮影しているので、編集時のレスポンスは旧バージョンでも十分な速度で確認できている。

 もう少し高負荷のシーンを作ってみよう。バージョン17で追加されたFusionエフェクトの「DVE」というのが負荷が高いという話を聞いたので、これを使って2画面のPinP(Picture in Picture)を作ってみた。

 旧バージョンでは、再生フレームレートが4.5と劇遅である。アクティビティーモニターで見てみると、CPU負荷は142.4%、GPU負荷は82.8%。CPUの方を酷使するエフェクトのようだ。

photo 旧バージョンでDVEエフェクトの負荷を測定

 一方新バージョンの再生フレームレートは8。リアルタイムには程遠いが、旧バージョンより1.7倍早い。CPU負荷も100%程度と下がっており、効率化されて居るのが分かる。

photo 新バージョンでDVEエフェクトの負荷を測定

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