ここまでは負荷の高いシーンのみリアルタイムレンダリングの速度を見てきたが、全体のレンダリング時間も見ていこう。DaVinci Resolveでどのような作業をするにしても、使う全ての人に恩恵があるのはこの部分だ。
今回はタイムライン上の設定は4K/60p、およそ5分30秒のコンテンツだが、レンダリングはYouTubeへのアップロードを前提に、1080/60p/H.264へリサイズしながら書き出してみる。
旧バージョンではカラーグレーディングのみで他にエフェクトがない部分はフレームレート76fpsぐらいで進行するが、DVE(Digital Video Effect)エフェクトの部分になると3.5fpsぐらいまで速度低下する。その部分はCPU負荷が52.3%と、リアルタイム再生に比べてあまりCPUを使わなくなっている。
一方新バージョンでは、エフェクトなし部分は102fps程度までスピードアップしている。旧バージョンと比較すると1.37倍である。
DVEエフェクト部分になると、フレームレートは4とあまり変わらないが、CPUの負荷が45.6%とさらに減っている。負荷で言えば約87%減だが、ややスピードアップということになる。
トータルのレンダリング時間は、旧バージョンが10分54秒、新バージョンが9分14秒となった。比率でいえば1.18倍で、リアルタイムレンダリングの比率に近い数値といえる。今回の結果ではスピードが3倍とはいえないが、CPUとGPUの負荷がかなり下がっているように見える。
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