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「音がいい」だけじゃ物足りない Qualcommの調査から見えたワイヤレスイヤフォンの未来像小寺信良のIT大作戦(3/6 ページ)

» 2021年09月06日 13時38分 公開
[小寺信良ITmedia]

 では「音質が良い」とは具体的に何を指すのか。

 以下の分析では、ハイレゾ対応を求める意見が37%と最多となっている。

photo 音質の違いを求める消費者割合

 ロスレスが次いで15%となっているが、CDクオリティーであるとする人も8%いる。現在ロスレスのターゲットがCDクオリティーであることを考えれば、CDクオリティーが出せれば満足できる人が合計で23%ということになる。

 ハイレゾのニーズにはまだ届かないが、ロスレス対応はかなり有望な市場であることが分かる。

 ではハイレゾ対応音楽サービスの加入意向はどうなっているのか。6カ国平均では、すでに加入している割合は5%、加入意向を示したのが58%となっている。

 調査6カ国の中で加入率も加入意向も極端に低いのが日本で、加入済みが1%、加入意向が32%と、ある意味調査全体の足を引っ張る格好となっている。

photo ハイレゾサービスへの加入意向

 ただこの結果は、調査が5月であるというところから、現在の状況とはおそらく変わっている点に留意すべきだ。Amazon Musicでは、2021年年5月に米英他7カ国でハイレゾ・ロスレス配信を追加料金なしで提供しており、6月に日本でも同様となった。

 Apple Musicが追加料金なしでハイレゾ・ロスレス配信を開始したのも6月の話である。

 6月以降はノーマルとハイレゾのサービスに区別がなくなっており、意識的にハイレゾサービスへ加入するというアクションが成立しなくなっている。

 ただそれにしても、ハイレゾ発祥の国である日本の関心の低さが極端なのは、気に掛かるところだ。

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