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「音がいい」だけじゃ物足りない Qualcommの調査から見えたワイヤレスイヤフォンの未来像小寺信良のIT大作戦(5/6 ページ)

» 2021年09月06日 13時38分 公開
[小寺信良ITmedia]

 一番影響を与えるのがアクティブノイズキャンセリング(ANC)だ。日本市場に限れば、ノイズキャンセリング搭載でも1万円程度の製品が登場してきており、ノイズキャンセリングの低価格化が起こっている。

 現在日本国内で入手できる完全ワイヤレスイヤフォンのうち、アクティブノイズキャンセリング対応製品がどれぐらいあるのか。ここでは価格.comのデータを使って調査してみる。

 価格.comは過去製品も掲載されているため、現行商品を絞り込む必要がある。そこでBluetooth 5.0以降という条件でフィルタリングしたところ、433の製品が該当した。このうちアクティブノイズキャンセリング搭載製品は79あり、割合にしておよそ18%という結果となった。

photo 価格.comでノイズキャンセリング対応機を絞り込み

 Bluetooth 5.0以降で最古の対応製品は、2019年7月のソニー「WF-1000XM3」と、同年10月のApple「AirPods Pro」である。これ以降の発売製品数を月別に追っていくと、おおむね夏前の6月ごろと、秋口の11月ぐらいに新製品発売のピークがあることが分かる。

photo 完全ワイヤレス+ノイズキャンセリングイヤフォン月別発売製品数

 2021年はまだ9月以降のデータが十分にそろっていないが、Apple AirPods 3の発表も間近といわれており、秋口には多くのノイキャン製品が登場しそうだ。

 とはいえ、キャンセリングの効きの強い・弱いの差は製品ごとに如実に出るようになっており、評価軸は単に「機能の有無」から、次の段階に入りつつある。

 一方ハイレゾに対応した製品は現状では5つしかなく、筆者の知る限りあと2つの製品がユーザーテスト中なので、まもなく7つの製品が市場に出揃うはずである。なおハイレゾ対応は必ずしもLDAC対応を意味しておらず、aptX HD対応製品も含まれる。

photo ハイレゾ対応製品はまだ5つ

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