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» 2021年09月06日 13時38分 公開

「音がいい」だけじゃ物足りない Qualcommの調査から見えたワイヤレスイヤフォンの未来像小寺信良のIT大作戦(1/6 ページ)

QualcommがBluetoothでロスレスを伝送する「aptX Lossless」を発表した。ワイヤレスオーディオはこれからどう変わっていくのか。

[小寺信良,ITmedia]

 スマートフォン向けSoCで知られるQualcommが日本時間の9月2日、Bluetoothでロスレスオーディオを提供する「aptX Lossless」を発表した。ロスレスのストリーミングと聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かぶのは、Apple Musicだろう。

 AppleのサービスとAndroidが主戦場のaptXでは、かみ合わせが悪いように思われるかもしれないが、そもそもロスレスのストリーミングはすでにAmazon Music HD、Deezer、OTOTOY、TIDAL、mora qualitasといったサービスでスタートしており、Apple MusicもAndroidアプリでロスレス及び空間オーディオ再生が可能になっている。

 Bluetoothでロスレス伝送できる技術というのは、aptX Losslessが最初となる。ハイレゾ伝送ではLDACに後れを取っていたaptXだが、ロスレス伝送で逆転を狙うということだろう。

 しかしiPhoneにaptXが搭載される可能性は低く、Appleが独自にロスレスコーデックを搭載しない限り、ロスレスの世界は当面Androidだけのメリットとなる可能性もある。

 2021年にApple Musicが対応したことで、ロスレスはようやく「始まった」感があるわけだが、iPhoneユーザーがその恩恵を受けられるメドが立たないのは、何とも残念な話である。

 aptX Losslessの44.1kHz/16bitというスペックは、CD音源そのものであり、ソースとなる楽曲数はハイレゾよりも多い。これまで「いい音」とはCDスペック以上を指していたが、「CDスペックをロスレス伝送」ということもまた「いい音」として、価値があると見なされていくことになる。これまでの「いい音」の定義が変わる、ということである。

 そうした中、そのQualcommが「2021 State of Sound」という調査リポートを公開した。

 世界的パンデミックの中でオーディオ需要がどのような傾向にあるのかを調査したもので、ある意味Qualcommの今後のシナリオの裏付けとなるデータである。今回はその中身を見ながら、今後のワイヤレスオーディオの姿を探っていこう。

photo 2021 State of Sound
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