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生演奏の機会を奪われたアーティスト、DXする ライブ配信を追求したらつながった新たな仕事(3/4 ページ)

» 2021年09月30日 15時44分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

配信用のスタジオを構築

 そして、とうとう、自宅とは別にマンションを借りて、配信用の簡易的なスタジオを作ってしまった。楽器を演奏するだけに他の部屋からのクレームが心配になるが、「目の前が電車の線路なので、もともと二重窓だった。床や壁は知人の力を借りてDIYで防音工事を行った」というから本格的だ。「アコースティックな楽器を3人で演奏したこともあるが、苦情は一件も来ていない」そうだ。実際、共演者を招いてアンサンブルでライブ配信を行うことも多い。

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photo 最近のライブ配信では、複数のカメラをフットペダルを使ってスイッチングしながら、テロップも適宜挿入するなど、とても1人で実施しているようには見えない。

 今回、この記事を書くに当たり、配信スタジオの写真を送ってもらったのだが、ご覧の通り、照明まで完備した機材構成は、驚き以外の何ものでもない。実際、仁詩さんの最近のYouTubeのライブ配信を見ると、演奏中やナレーション中であるにもかかわらず、テロップや字幕が円滑に表示され、とても1人で配信しているとは思えない完成度の高い配信を実現している。

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photo マンションの一室とは思えない機材群。1人で全てコントロールし、かつ状況把握しつつ、軽く手を伸ばせば届くところに設置という条件を追求したらこうなったという

 ライブ配信を見ていると、時々、何かを操作していることが分かるのだが、その無駄のない自然な動きは、いかにも1人配信無双といった印象だ。操作には、フットペダルまで活用しているという。

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