YouTubeのチャンネル登録者数も増えスーパーチャットが使えるようになっているが、収益は上がっているのかという点が気になる。しかし、仁詩さんは、収益性を否定する。「よほどのビッグネームでない限り、音楽でYouTuberとして収入を得るのは難しい。Googleのロイヤリティー、iPhoneの場合Appleのアプリ内課金に加え、著作権使用料を支払うと、手元に残る金額は大きくはない」というのがその理由だ。
そのため、仁詩さんは、リアルでの演奏活動につなげる目的でライブ配信を行っている。「地方の方々は、とても喜んでもらっている。自由に演奏活動ができるようになったら積極的に出掛けていきたい」と語る。
仁詩さんの場合、自身で配信を始めたことで、配信のプロが集まるプレゼン会などにでかけ勉強してきたという。そのときに、配信関係者との人脈ができ、そのコネクションを通じて、プロの配信業務に携わるようになった。
実際、コロナ禍が長引くなか、企業、官公庁、医療系などの配信の現場にもディレクターやスイッチャーとして参加する機会も多い。「ライブ配信は、トラブルに臨機応変に対応できるか否かが勝負。そのためには、場数を踏んでいることが重要」という。まさに、100数十回というライブ配信の回数をこなしているからこそ出てくる言葉だ。
このときの仁詩さんの顔は、よく知ったミュージシャンとしての顔ではなく、配信のプロとしての顔だった。まさに、ミュージシャンがトランスフォームした姿がそこにあった。
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