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「G-SHOCK」初のカスタマイズサービス、20日開始 準備のためにカシオ社内をDX化

» 2021年10月14日 12時07分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 カシオ計算機は10月14日、購入者が好きな色のパーツを組み合わせて「G-SHOCK」を作れるカスタマイズサービス「MY G-SHOCK」を発表した。20日の午後2時からカシオのWebサイトで提供する。価格は1万5400円から。

「MY G-SHOCK」

 ベースモデルは2020年発売の「DWE-5610」 。G-SHOCKの初号機「DW-5000C」(1983年発売)のスクエアデザインを引き継いだシンプルなクオーツ腕時計で、MY G-SHOCKでは19色のベゼルやバンド、2種類の美錠(バックル)、7種のフェイス(液晶とガラス)などを自由に選べる。組み合わせは約190万通り。

 バンドの上下を別の色にしたり、1パーツあたり500円を追加してスケルトン素材に変更したりもできる。バンドを固定する遊環(ゆうかん)は通常の1つから3つ(トリプル遊環)まで増やせる。「トリプル遊環にした場合、組み合わせは約6億5800万通りになる」という。

各パーツの色を選ぶと画面上に反映され、完成時のイメージが掴める。変更はサイト上に保存され、次回アクセス時にその状態から作業を続けられる(実際のサイトとは一部表示が異なる場合がある)

 過去の名機も再現できる。ベゼルやバンドの19色には「FIRST COLOR」と呼ばれる3つの限定カラーがあり、選択すると1987年に海外で販売したG-SHOCK初のカラーモデル「DW-5600C-9BV」や1991年の「DW-5600B-3V/5600B-2V」と同じ色になる。FIRST COLORは各パーツ限定500個。

「FIRST COLOR」は各500個限定。一部でもパーツが売り切れるとこの姿にはならないため、初のカラーモデルを再現したい人はお早めに

 組み立ては山形カシオが担当。ユーザーがデザインを決めて発注すると3週間から5週間で完成品が届く。

デザインしたG-SHOCKが完成した。通常は3週間から5週間で完成品が届く

 紙素材のオリジナルパッケージは、G-SHOCKのペーパークラフトになっている。完成すると見えなくなる部分のパーツまで本物と同じように作り込んだ「こだわりの逸品」だ。

こだわりのペーパークラフト

サービスの準備でカシオ社内をDX化

 カシオ計算機の丸憲太郎さん(技術本部 開発推進統轄部 第1開発推進室 11開発推進室 室長)によると、MY G-SHOCKを始めるに当たっては製品設計の見直し、製造ラインの整備、アフターサービスのために個体を判別する仕組み作りなど、部署を横断した様々な準備が必要だったという。

カシオ計算機の丸憲太郎さん(写真=左)と阿部亙さん(写真=右)

 「従来の体制では対応できません。概念を変え、一からシステムを構築する必要がありました」。社内の様々なセクションから100人以上を集め、各部署で使っていたシステムを連携させるビッグプロジェクトになった。

 作業には1年半をかけた。1サービスの準備期間としては長いが、実は丸さんと阿部さんはカシオ社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を担当するデジタル共創推進部にも所属しており、MY G-SHOCKの準備を機に一気にDX化を進めたという。

 プロジェクトを通じて構築したインフラは今後、様々なサービスに生かす。「今回のカスタマイズサービスはあくまでもスタート。詳しい話はまだできませんが、ここで終わりにするつもりはありません。そのためのインフラはできました」と胸を張った。

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