カシオ計算機は10月14日、購入者が好きな色のパーツを組み合わせて「G-SHOCK」を作れるカスタマイズサービス「MY G-SHOCK」を発表した。20日の午後2時からカシオのWebサイトで提供する。価格は1万5400円から。
ベースモデルは2020年発売の「DWE-5610」 。G-SHOCKの初号機「DW-5000C」(1983年発売)のスクエアデザインを引き継いだシンプルなクオーツ腕時計で、MY G-SHOCKでは19色のベゼルやバンド、2種類の美錠(バックル)、7種のフェイス(液晶とガラス)などを自由に選べる。組み合わせは約190万通り。
バンドの上下を別の色にしたり、1パーツあたり500円を追加してスケルトン素材に変更したりもできる。バンドを固定する遊環(ゆうかん)は通常の1つから3つ(トリプル遊環)まで増やせる。「トリプル遊環にした場合、組み合わせは約6億5800万通りになる」という。
過去の名機も再現できる。ベゼルやバンドの19色には「FIRST COLOR」と呼ばれる3つの限定カラーがあり、選択すると1987年に海外で販売したG-SHOCK初のカラーモデル「DW-5600C-9BV」や1991年の「DW-5600B-3V/5600B-2V」と同じ色になる。FIRST COLORは各パーツ限定500個。
組み立ては山形カシオが担当。ユーザーがデザインを決めて発注すると3週間から5週間で完成品が届く。
紙素材のオリジナルパッケージは、G-SHOCKのペーパークラフトになっている。完成すると見えなくなる部分のパーツまで本物と同じように作り込んだ「こだわりの逸品」だ。
カシオ計算機の丸憲太郎さん(技術本部 開発推進統轄部 第1開発推進室 11開発推進室 室長)によると、MY G-SHOCKを始めるに当たっては製品設計の見直し、製造ラインの整備、アフターサービスのために個体を判別する仕組み作りなど、部署を横断した様々な準備が必要だったという。
「従来の体制では対応できません。概念を変え、一からシステムを構築する必要がありました」。社内の様々なセクションから100人以上を集め、各部署で使っていたシステムを連携させるビッグプロジェクトになった。
作業には1年半をかけた。1サービスの準備期間としては長いが、実は丸さんと阿部さんはカシオ社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を担当するデジタル共創推進部にも所属しており、MY G-SHOCKの準備を機に一気にDX化を進めたという。
プロジェクトを通じて構築したインフラは今後、様々なサービスに生かす。「今回のカスタマイズサービスはあくまでもスタート。詳しい話はまだできませんが、ここで終わりにするつもりはありません。そのためのインフラはできました」と胸を張った。
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