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ニコン「Z 9」正式発表、メカシャッター排除 8Kを125分連続撮影 約70万円

» 2021年10月28日 23時05分 公開
[山川晶之ITmedia]

 ニコンは10月28日、ミラーレスカメラのフラグシップモデル「Z 9」を発表した。2021年内での発売を予定しており、11月2日午前10時より予約を受け付ける。市場想定価格は69万8500円(税込)。

「Nikon Z 9」

 ニコン独自の4571万画素フルサイズ積層型CMOSセンサーを搭載。高速読み出しに対応しローリングシャッターによるひずみを抑制。ミラーレスとしては異色のメカシャッターを排除しており、無音(設定でシャッター音をオンに可能)かつシャッターの耐久性を気にせず撮影できるという。ボディ内手ブレ補正は最大6.0段。動画向けにレンズ内/ボディー内手ブレ補正と電子手ブレ補正を組み合わせることもできる。

 シャッタースピードは最大1/3万2000。フラッシュ同調速度は最大1/250秒。連写機能「ハイスピードフレームキャプチャ+」により、全画素で最大30コマ/秒、約1100万画素であれば120コマ/秒で撮影が可能。20コマ/秒であれば1000コマ以上撮影できるという。高効率RAWフォーマットを新たに採用。非圧縮RAWと同レベルの画質を維持したまま、約3分の1のファイルサイズを実現した。

 オートフォーカスは、同社のミラーレスで初めて「3D-トラッキング」を搭載。フォーカスポイントは493点。ディープラーニングを活用した新アルゴリズムにより、人以外に犬、猫、鳥、クルマ、バイク、自転車、列車、飛行機の9種類の被写体検出に対応。瞳検出は、ゴーグルやサングラス越し、顔が逆さまの状態でも検知可能になった。

9種類の被写体検知に対応

 EVFは、撮影時にブラックアウトしない「Real-Live Viewfinder」を搭載。369万ピクセル、3000cd(カンデラ)のミラーレス最高輝度を実現。真夏のビーチや雪原など非常に明るいシーンでもクリアな表示が可能という。液晶モニターはニコン初の4軸チルト式を採用した3.2型ディスプレイ。縦/横どちらでもチルト撮影が可能。星空の撮影時に被写体を最大限明るく表示する「スターライトビュー」や、暗さに目が慣れた時にメニューなどを見やすくする「赤色画面表示」に対応した。

液晶は4軸チルト
星空撮影など暗いところで画面が見やすくなる「赤色画面表示」

 ボディーは縦型のバッテリーグリップを装着したような大型サイズではあるが、一眼レフ機のフラグシップモデル「D6」より約20%小型化した。記録メディアはCFexpress(Type B)とXQDカードに対応したデュアルスロット。インタフェースは、USB Type-C、HDMI Type A、有線LANポート、マイク入力、ヘッドフォン出力を内蔵する。

「D6」より20%小型化

 8K30pで125分の連続撮影が可能。4K 120pのハイフレームレート撮影ができる他、4K30pまでは8Kからのオーバーサンプリング撮影に対応する。8K撮影時は、録画中のピント拡大が可能。フォーマットは、H.265(HEVC)、ProRes 422 HQから選択でき、HLGやニコン独自のN-Logでの記録にも対応する。記録は10bit、4:2:2が利用でき、画質に優れる「ALL-I」をサポートする。今後、8K60pのRAW動画の内部記録にも対応予定だ。

8Kの125分連続撮影に対応
HDMI出力を使えば、外部モニターに出力しつつ本体のモニターでピント確認が可能。ピントがシビアな8K撮影に有用だ

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