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ザッカーバーグがメタバースに全集中する背景を考えるMetaさん(2/3 ページ)

» 2021年11月01日 16時17分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 メタバースへのシフトがもしうまくいけば、Facebookが今抱えている2つの問題が解決します。1つは、ユーザーの高齢化。Instagramはともかく、Facebookのユーザー層の高齢化はもう、どうしようもないこととみられています。メタバースに入るためのヘッドセットやスマートグラスがかっこよくなって、安くなって、手軽になれば、高齢者より若者に受け入れられる……かもしれません。

 もう1つの問題は、自分がプラットフォームになってしまえば、AppleのATTで広告収入が激減したり(決算発表で、売上高が予想より低かったのはATTのせいだと言ってました)Apple税を払い続けなければならなかったりという問題はなくなります。

 ついでに、プラットフォームの規制が始まるのはプラットフォームが成熟してから(MicrosoftのWebブラウザも、AppleのiPhoneも、睨まれるようになったのはシェアが大きくなって目立つようになってからだった)なので、メタバースもしばらくは見逃されそう。

 だからといって、社名まで変えなくてもよさそうなものです。ザッカーバーグ氏は主に「メタバースに注力するから」と言って、Meta(beyondという意味)の下にFacebook、Instagram、Messenger、WhatsApp、Oculus(これもMetaになるらしいけど、それだとすっきりしないなぁ)が並ぶと説明しました。


 社名変更の理由についての海外メディアの見解の多くは、9月末のWall Street Journalの記事を皮切りに今も続く米メディア集団による「The Facebook Papers」攻撃でFacebookのブランドイメージが(これまで以上に)落ちてしまったので、というものです。

 実際「Facebook傘下のInstagramは」という記事に以前、「え、InstagramってFacebookの子会社なの? いやだなぁ」というツイートがありました。「Meta傘下のInstagramは」と書いたらそういう声はなくなりそうです。

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